- 著者
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鳥塚 莞爾
伊藤 健吾
- 出版者
- Japan Radioisotope Association
- 雑誌
- Radioisotopes (ISSN:00338303)
- 巻号頁・発行日
- vol.57, no.1, pp.33-43, 2008-01-15
- 被引用文献数
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3
全国PET施設のアンケート調査の回答結果から保険適用外の18種類の腫瘍における[<SUP>18</SUP>F]FDG-PET(FDG-PET)の有用性を検討した。すなわち神経内分泌腫瘍(神経芽細胞腫,褐色細胞腫,カルチノイド),悪性中皮腫(悪性胸膜中皮腫,悪性腹膜中皮腫),泌尿器領域癌(腎細胞癌,尿管癌,膀胱癌,Wilms腫瘍),男性性器癌(前立腺癌,精巣癌),縦隔腫瘍,副腎腺腫,皮膚癌(悪性黒色腫を除く),乳房外Paget病,多発性骨髄腫,心臓内腫瘍(左心房悪性線維性組織球腫),脾臓腫瘍(脾臓血管腫)の18疾患,133例(男性98例,女性35例)における成績を検討した。「極めて有用」は神経芽細胞腫,悪性腹膜中皮腫,腎細胞癌,尿管癌,膀胱癌,Wilms腫瘍,副腎腺腫,乳房外Paget病,左心房悪性線維性組織球腫,脾臓血管腫の10疾患であり,「有用性が高い」はカルチノイド,悪性胸膜中皮腫,前立腺癌,皮膚癌,多発性骨髄腫の5疾患であり,「有用」は褐色細胞腫,精巣癌,縦隔腫瘍の3疾患であった。なお,報告された泌尿器科領域癌及び皮膚癌は全例,術後の症例で,再発・転移巣の有無の検索のためにFDG-PETが実施された症例であって,術後の経過観察にFDG-PET検査は極めて有用と考えられた。