- 著者
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植田 真司
築地 由貴
近藤 邦男
山室 真澄
- 出版者
- The Japanese Society of Limnology
- 雑誌
- 陸水学雑誌 (ISSN:00215104)
- 巻号頁・発行日
- vol.66, no.3, pp.197-206, 2005
- 被引用文献数
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3
青森県下北半島の太平洋側中央部に位置する汽水湖尾駮沼におけるベントスの出現特性を2001年から2003年に至る期間,8地点において調査した。ベントスの個体密度は淡水河川の河口部と沼の沿岸部が湖心部と比較して多く出現した。出現が確認されたベントスの分類群は53種であり,大部分は軟体動物,環形動物および節足動物の分類群で構成されていた。優占種はヤマトスピオ,スピオ科のPolydorasp.,カワグチツボ,ホトトギスガイ,タカホコシラトリガイ,イソコツブムシであった。本研究の結果から,尾駮沼におけるベントスの歴史的変遷をみると,過去50年間において種構成の変化は小さかったが,近年環形動物のイトゴカイ,軟体動物のムラサキイガイやオオノガイなどの増加が示唆された。