著者
植田 真司 長谷川 英尚 近藤 邦男
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.48, no.11, pp.683-689, 1999-11-15 (Released:2011-03-10)
参考文献数
10
被引用文献数
1 2 5

To determine the recently accumulated state of the radiocesium137Csin surface sediment in the brackish-water Lake Obuchi, surrounded by facilities reprocessing spent nuclear fuel in Rokkasho Village, we investigated concentration of137Csin the sediment and speciation of137Csin the sediment according to standard procedures of sequential extraction. Concentrations of137Csin the sediment, the silty types (8.0 -13.8Bq kg-1dry) were higher than the sandy type (0.2Bq kg-1dry) . Concentrations of137Csin the sediment tended to be higher in the smaller particle sizes. Moreover, we observed a high correlation coefficient between137Csconcentration in the sediment and amount of organic matter. We found that most137Csin the sediment were the speciations (contained within the crystal structures of minerals etc.) that non-eluted under a natural condition; however, the137Csbonded to organic matter in the sediment were only about 5 % of the sum total of each extraction. This suggests that organic matter acts as a carrier in137Csaccumulation on the lake bottom. Also, 137Csin the sediment can more readily exist in a stable state when bonded to minerals, possessing a crystal structure, rather than to organic matter.
著者
佐藤 明香 宇賀 麻由 植田 真司 矢野 修也 小川 弘子 三好 智子 難波 志穂子 大塚 文男
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.405-410, 2020-08-25 (Released:2021-03-15)
参考文献数
8

背景 : 本邦の臨床研修病院で研修医メンター制度が導入されてきているが, 制度の詳細や効果については明らかにされていない. 目的 : 当院で運用している研修医メンター制度を紹介し, 2018年度に本制度を利用した研修医 (メンティ) からのメンター制度に対する評価を明らかにする. 方法 : 制度を利用した研修医に無記名のwebアンケート調査を実施した. 結果 : 2018年度採用研修医の78.0% (32名) が本制度を利用した. 調査の回答率は87.5% (28名) で, 制度に対する満足度は高かった. 考察 : 今後はメンターも対象に,より詳細なアンケート調査を実施し, さらなる制度改善へとつなげたい.
著者
植田 真司 長谷川 英尚 久松 俊一
出版者
日本陸水学会
雑誌
陸水学雑誌 (ISSN:00215104)
巻号頁・発行日
vol.78, no.1, pp.75-85, 2016
被引用文献数
4

<p> 青森県六ヶ所村に点在する淡水湖の田面木沼および市柳沼,汽水湖の鷹架沼および尾駮沼における水質の現状と変遷を明らかにすることを目的に,2004年4月~2015年3月の期間,月一回の水質調査を行った。田面木沼,市柳沼および鷹架沼において全窒素(TN),全リン(TP)および化学的酸素要求量(COD)濃度は高く,富栄養化レベルであった。田面木沼および市柳沼においては,毎年8~10月の期間,アオコの発生が観察され,水質汚濁が顕在化していた。しかしながら,11年間を通してみると汚濁の進行は止まっており,ほぼ横ばいに推移していた。また,鷹架沼は,湖盆の真中を縦断する防潮堤を挟んで水質が異なり,防潮堤の西(奥)側の水質が,東(海)側よりも富栄養化が進んでいた。一方,尾駮沼は年間を通してTN,TPおよびCOD濃度は低く,水質は良好であり,中栄養化レベルであった。尾駮沼が水質を良好に保っている要因は海水交換が大きいことが考えられる。いずれの湖沼の水質も長期間の観測を通してほぼ横ばいに推移していたが,40年前の水質と比較して概ね改善方向にあることが認められた。</p>
著者
植田 真司 築地 由貴 近藤 邦男 山室 真澄
出版者
The Japanese Society of Limnology
雑誌
陸水学雑誌 (ISSN:00215104)
巻号頁・発行日
vol.66, no.3, pp.197-206, 2005
被引用文献数
3

青森県下北半島の太平洋側中央部に位置する汽水湖尾駮沼におけるベントスの出現特性を2001年から2003年に至る期間,8地点において調査した。ベントスの個体密度は淡水河川の河口部と沼の沿岸部が湖心部と比較して多く出現した。出現が確認されたベントスの分類群は53種であり,大部分は軟体動物,環形動物および節足動物の分類群で構成されていた。優占種はヤマトスピオ,スピオ科のPolydorasp.,カワグチツボ,ホトトギスガイ,タカホコシラトリガイ,イソコツブムシであった。本研究の結果から,尾駮沼におけるベントスの歴史的変遷をみると,過去50年間において種構成の変化は小さかったが,近年環形動物のイトゴカイ,軟体動物のムラサキイガイやオオノガイなどの増加が示唆された。