著者
大島 未有希 遠山 令子
出版者
日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌 (ISSN:03899357)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.389-393, 2013
参考文献数
7

人の肌の色を研究対象とする際には,ほとんどの場合,その色を色票に再現して検討材料としている.しかし入手が容易な色材を用いていわゆる肌の色の色票を作製したという報告はない.そこで汎用色材を用いての肌の色の色票を作製する場合に必要な原色の選定を試みた.その結果,原色には肌の色を再現する主要色としてモスグリーンとブリリアントピンクの2色,さらに色再現領域を広げる補助色としてライラック,コバルトターコイズ,カドミウムイエローおよびプライマリーホワイトの4色を選定した.それぞれの色には特定の役割があり,これらの6色を適切な比率で混色することにより,連続して肌の色を変化させることができるので,広範囲な肌の色の領域を再現できることが示唆された.