著者
遠藤 廣太 中山 司
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集 第61回理論応用力学講演会
巻号頁・発行日
pp.210, 2012 (Released:2012-03-28)

2次元通路を歩行する群集の移動パターンに関する数値シミュレーションを報告する.本研究では群集の移動を流体の流れに見立て,流れの支配方程式を粒子法の一つであるSmoothed Particle Hydrodynamics(SPH)法で解く.一つの粒子を一人の人間に見立てることで,粒子の移動をラグランジュ的に追跡しながら計算する.群衆を目的地に誘導する計算テクニックとしてポテンシャルフィールドという考え方を採用し,ポテンシャルフィールドの勾配に比例する仮想的な力を外力として個々の粒子に作用させる.また,粒子に対して視野に相当する情報を与えるために,SPH法におけるカーネル関数の形状を変える.カーネル関数の形状や流体の動粘性係数に相当する係数の大きさなどの違いによる群集の行動パターンを考察するとともに,複雑な形状の通路にポテンシャルフィールドを張る方法を考案した.