著者
吉田 実 遠藤 義雄
雑誌
情報処理学会研究報告ソフトウェア工学(SE)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.29(2004-SE-147), pp.113-120, 2005-03-18

列車統合管理システム(Train Integrated Management Systems TIMS) は冗長構成の分散監視制御システムで,営業運転中でもシステムの構成が変更される.本論文では,以下の特徴を持つTIMS のソフトウェアプロダクトライン化手法を提案する.(1) 冗長構成、かつ、動的再構成に容易に対応可能な列車および機器の構成方式を持つ.(2) 冗長系システムの無矛盾性を実現するためのソフトウェアアーキテクチャを持つ.(3) 制御ソフトウェアモジュールの入出力から通信と機器の配置などを隠蔽したデータアクセス機構により,制御ソフトウェアモジュールが機器の配置と個数の影響を受けない.(4) 設計支援ツールにより,通信パケットのデータフォーマット,制御ソフトウェアモジュールの配置とデータ参照に関するプログラムの生成が可能である.以上により,制御ソフトウェアモジュールの再利用性を高めるとともに,動的なシステム再構成に容易に対応できる.