- 著者
-
吉田 実
星井 博
- 出版者
- Japan Poultry Science Association
- 雑誌
- 日本家禽学会誌 (ISSN:00290254)
- 巻号頁・発行日
- vol.15, no.6, pp.308-311, 1978-11-25 (Released:2008-11-12)
- 参考文献数
- 8
- 被引用文献数
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8
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家畜の糞尿, パルプ工場廃液, 活性汚泥など各種の廃棄物の処理にミミズを使用し, その糞を土壌改良剤に, ミミズ自身を釣のえさに利用することが, 全国各地で行なわれている。もし, この種の廃棄物処理がより大規模に行なわれるとすれば, 生産される多量のミミズは, 家畜, 家禽の飼料として活用できるであろう。本研究では, 生物定量法によりミミズの栄養価を測定して, ミミズを飼料として利用する場合の参考資料をえた。供試品は, 当場に自生するシマミミズ (Eisetia foetida SAVIGNY) を, 凍結乾燥し, 粉砕して調製した。外皮が固く, その部分の粉砕は容易ではなかった。生きたミミズは, 水分84.4%を含み, その風乾物の56.4%は粗蛋白質であった。粗繊維の大部分と粗灰分の一部は, ミミズの消化管内の不消化分や土壌に由来すると考えられるが, それぞれ1.58および8.79%であって, 意外に低かった。無機物ではカルシウム含量が少なく, 動物性飼料である魚粉などと大きな差が見られるが, これは骨格がないことを反映している。アミノ酸組成は, 含硫アミノ酸含量が低いほかは, 特に問題はない。1週齢のヒナを用いる生物定量法により測定した生物価は101であった。これは, DL-メチオニンの添加によりさらに高められると予想される。ミミズの有効エネルギーは2.92kcal/gであって, 魚粉の2.91~2.65kcal/gに匹敵する。リンの利用率は102で, よく利用されている。このような成績から, ミミズは, 将来多量に供給されるようになれば, 養鶏用飼料資源として有望であると考えられる。