著者
郡 武治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoMuC, モバイルマルチメディア通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.446, pp.19-24, 2008-01-17
被引用文献数
7

ビタビ復号アルゴリズムを用いた最尤位置推定法を新たに提案する。提案方法は計算機シミュレーションにより検証し、実現可能であるあることがわかった。実現できれば、1チップLSIで駆動し、1秒間に数メガ回最尤位置推定することが可能である。特性としては、移動端末から送信される信号を最も大きい受信電力としてとらえたノードの位置を移動端末の位置とする従来方法に比べ、位置検出平均誤差が最大60%少なくなることを、自由空間等に簡易化したモデルで確かめた。さらに、回路規模の推定を行い、中規模の市販FPGAで実現できる見通しを得た。本文では、最初に動作原理を述べる。次に、16x16の固定ノードより構成される空間モデル上を移動端末が移動することを想定し、検証と同時に特性をもとめ結果を示す。最後に、回路実現のため必要な、パスメモリ打ち切り段数、ACSとパスメモリ量の推定を行い、FPGAのエレメント換算により、回路規模を見積もっている。
著者
郡 武治 服部 武
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.240, pp.13-18, 2005-08-18
被引用文献数
2

アドホック無線ネットワークにおいて、事前に伝送ルートを確定することなく、情報を決められた方向に群的に伝達する新たなマルチホップ伝送を提案する。本方法を群伝送アドホック通信と定義する。提案方法では、1つのノードより発せられたパケット信号は、周辺の複数のノードで同時受信され、1つの方向にバケツリレーしながら伝送される。途中、中継ノードは同一情報を有するパケット信号を受信すると、合成が行われ、回線品質が改善される。このように、情報が群的に伝送されるため、中継ノードの故障、中継経路の急激な品質劣化により、特定パスの中継が完全に途絶えたとしても、周辺ノードによる迂回中継と合成により、復旧することができる。また、再送制御のないことから、伝送遅延は最小になる。提案方法を用いることにより、従来の1ルートによる中継では、6パスで7.8dB低下する伝送路において、同じ情報を群伝送すると、√<2>倍伝送距離が長いにも関わらず4.3dBの低下で伝送することが可能であることが分かった。本文では、提案する群伝送アドホック通信の動作原理を述べ、特徴と応用例を示す。次に実現するために必要な尤度関数の算出方法を理論的に明らかにし、計算機シミュレーションにより、その効果を検証する。