著者
郭 南燕 中尾 徳仁 李 梁 白石 恵理
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2021-04-01

土山湾は中国上海市徐家匯地区の村落である。1864年にイエズス会がそこに孤児院を設立し、職業訓練の工房を開設し、1950年代まで運営した。そこで制作された美術工芸品と印刷物は、幕末から昭和初期まで日本に輸入されて、博物館、記念館、修道院等に収蔵され、幅広く利用されている。本研究では、①日本に散在する土山湾の美術工芸品と刊行物に関する網羅的調査とデータベース化、②国内諸機関の書誌に対する補足情報の提供、③土山湾作品を手本とした幕末~明治初期の「プティジャン版」と布教用木版画の分析を通して、土山湾の作品が日本文化に与えた影響を検討し、日本現存の作品の保存と研究の推進に寄与したいと考える。