著者
酒井 倫夫 加藤 あや美
出版者
桜花学園大学
雑誌
桜花学園大学人文学部研究紀要 (ISSN:13495607)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.73-82, 2007

二十世紀半ばまで英文法の言語学に基づく研究は,出版された文献を資料として,記述的妥当性を中心に置いた所謂文献的(Philological)な記述を重視する研究であった。世紀半ばにNoam ChomoskyによりSyntactic Structures(1957:Mouton)が公刊されて以来,緻密で,より精緻な説明的妥当性を持つ文法研究が統語論的研究分野の中心に据えられ,文の生成の機序に関わる研究,つまり,生成文法理論に基づく研究が主流となっていった。本研究は,統語論研究分野のひとつの主題である動詞句に関わる動詞補文の構造を,精緻な生成文法理論的研究を中心にして考察しようとするものである。