- 著者
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千葉 智恵美
酒井 大典
坂本 うみ
菊地 彩
奥野 孟
田中 三知子
黒坂 大次郎
- 出版者
- 岩手医学会
- 雑誌
- 岩手医学雑誌 (ISSN:00213284)
- 巻号頁・発行日
- vol.70, no.3, pp.107-111, 2018 (Released:2018-08-31)
- 参考文献数
- 11
非穿孔性眼外傷による水晶体後嚢破裂を伴う白内障は,若年者にまれにみられる外傷性白内障である.我々は2例の12歳の男児の手術を行った.症例1は登校旗のプラスチック棒により左眼を受傷し,症例2は野球ボールで右眼を受傷した.それぞれ受傷後8週,8か月で手術を行った.手術は強角膜切開で行い,術中に硝子体の逸脱はみられず,眼内レンズを嚢内に挿入することができた.水晶体後方に水晶体由来のfish-tailやwhite dotsが見られたが,それらは吸引のみで消失した.後嚢切開や前部硝子体切除は行わなかった.今回の症例では後嚢と前部硝子体をつなぐWieger靭帯で囲まれたBerger腔が水晶体後嚢の役割を果たした可能性が考えられた.術後視力は1.0以上が得られた.