著者
千葉 智恵美 酒井 大典 坂本 うみ 菊地 彩 奥野 孟 田中 三知子 黒坂 大次郎
出版者
岩手医学会
雑誌
岩手医学雑誌 (ISSN:00213284)
巻号頁・発行日
vol.70, no.3, pp.107-111, 2018 (Released:2018-08-31)
参考文献数
11

非穿孔性眼外傷による水晶体後嚢破裂を伴う白内障は,若年者にまれにみられる外傷性白内障である.我々は2例の12歳の男児の手術を行った.症例1は登校旗のプラスチック棒により左眼を受傷し,症例2は野球ボールで右眼を受傷した.それぞれ受傷後8週,8か月で手術を行った.手術は強角膜切開で行い,術中に硝子体の逸脱はみられず,眼内レンズを嚢内に挿入することができた.水晶体後方に水晶体由来のfish-tailやwhite dotsが見られたが,それらは吸引のみで消失した.後嚢切開や前部硝子体切除は行わなかった.今回の症例では後嚢と前部硝子体をつなぐWieger靭帯で囲まれたBerger腔が水晶体後嚢の役割を果たした可能性が考えられた.術後視力は1.0以上が得られた.
著者
口田 圭吾 菊地 彩 加藤 浩二 日高 智 鈴木 三義 三好 俊三
出版者
Japanese Society of Animal Science
雑誌
日本畜産學會報 = The Japanese journal of zootechnical science (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.74, no.1, pp.23-29, 2003-02-25
被引用文献数
9 8

胸最長筋の皮下脂肪側において,筋間脂肪が胸最長筋内に大きく入り込んでくぼみのあるもの(いわゆる'ハート芯')は,枝肉の価値を低下させる一因であるとされる.本研究では,画像解析による新たなハート芯評価方法について提案すること,ならびに黒毛和種のハート芯形成に対する種雄牛の影響を検討することを目的とした.枝肉横断面撮影装置によって撮影された第6~7肋骨間の胸最長筋画像を2値化した.2値画像について胸最長筋の境界線を検出し,膨張処理ならびに細線化処理を行い,なめらかな胸最長筋の輪郭線を得た.胸最長筋の長径より上部(皮下脂肪側)について,凸部を結んだ凸多角形を描き,凸多角形と胸最長筋の輪郭線が作る領域について,その面積,パターン幅等を測定した.得られた画像解析形質のうちから3変数を用い,肉眼で判定したハート芯の程度を分類変数とする線形判別分析を行ったところ,その判別率は,97.0%と極めて高く,画像解析によりハート芯の程度を数値化することを可能とした.237頭(種雄牛32頭)の黒毛和種産肉能力検定間接法の材料牛について,ハート芯の程度を肉眼で調査したところ,38頭においてハート芯が確認された.画像解析により評価したハート芯の程度に対する種雄牛の効果は高度に有意(P<0.01)であり,特定の種雄牛からの後代にハート芯の出現頻度が多い傾向が認められ,ある1頭の種雄牛については,後代6頭すべてがハート芯の形状を呈した.