著者
酒井 謙一
出版者
京都工芸繊維大学
雑誌
京都工芸繊維大学繊維学部学術報告 (ISSN:03685896)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.1-10, 2006-03

ナチ統治下でのハウプトマンとナチとの関係を資料に基づいて検証しながら、彼の最後の傑作『アトレウス家四部作』、とりわけ『デルフォイのイフィゲーニエ』における最後の主人公の自殺について考察した。京都工芸繊維大学 繊維学部学術報告(2005) 第30巻
著者
酒井 謙一
出版者
京都工芸繊維大学
雑誌
京都工芸繊維大学繊維学部学術報告 (ISSN:03685896)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.9-16, 2004-03

京都工芸繊維大学 繊維学部学術報告(2003) 第28巻ブレヒトは、若い頃に最も影響を受けた人の1人として寄席芸人のファレンティーンを挙げている。ここでは、2人の関係について現在分かっている事実を確認しながら、まだ無名に近かったブレヒトを何とか一人前にしようと、ファレンティーンが行った『夜打つ太鼓』や『イングランドのエドワード2世の生涯』上演の際の適切な助言や支援等を指摘して、やはり彼こそブレヒトの本当の師、ブレヒトの言葉は決して大げさなものではないということを検証した。また、2人の合作となっているが、ファレンティーンの後見のもと、実質的にはブレヒトとエンゲルで制作した映画『床屋ミステリー譚』を紹介し、この作品がこれ以降のエンゲルとの共同制作の最初の試みであり、20代後半のブレヒト成功の端緒となった作品であるということを考察した。
著者
酒井 謙一
出版者
京都工芸繊維大学
雑誌
京都工芸繊維大学繊維学部学術報告 (ISSN:03685896)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.1-10, 2002-03

京都工芸繊維大学 繊維学部学術報告(2001) 第26巻『都会のジャングル』はブレヒトの作品の中では最も難解なものの1つである。ここでは、この劇に影響を与えた4つの作品を取り上げて、それらの影響をブレヒトがいかに自分なりに消化して、作品に作り上げていったかを検証した。これまで必ずしもまともに論じられてこなかった、キプリングの『ジャングル・ブック』の影響を、主人公に敵対する者たちの通称が動物の名前であるということを指摘して明確にし、また、劇中でときどき唐突にはさまれるランボーの詩句を当時のブレヒトの言語観と結びつけて解釈した。