著者
重本 和宏
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.42-43, 2011 (Released:2011-03-03)
参考文献数
7

サルコペニア(加齢性筋肉減少症)は高齢者のADL(activity of daily living)とQOL(quality of life)を損なう主要な原因である.サルコペニアの早期発見,運動機能障害者に対するリハビリの効果の判定を可能にする,客観的かつ有効なバイオマーカーが介護予防対策に必要である.加齢による筋の老化促進の要因は,体内環境全体の変化,幹細胞(サテライト細胞)の老化,筋と運動神経細胞の相互作用維持システムの老化の三種類に分類することができる.それらのメカニズムに関する新しい知見をもとに,サルコペニアに対して真に有効なバイオマーカーが開発されるかもしれない.