著者
野中 光代 古田 加代子 柴 邦代
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
pp.20190218050, (Released:2019-06-07)
参考文献数
27

目的:自閉症を伴う在宅重度知的障害者が誕生してから肥満に至った現在までの母親の肥満に関する認識と行動のプロセスを明らかにし,肥満の管理に関する看護支援を検討すること。方法:母親10名に体型の経過の中で記憶に残っている出来事について半構造化面接を行い,M-GTAを用いて分析した。結果:自閉症を伴う在宅重度知的障害者の誕生から肥満に至るまでの母親の認識と行動のプロセスは,母親は自閉症,重度知的障害によっておこる食事や多動の問題に必死に対処するうちに,〔自立困難な子への愛着〕にも助長され,肥満につながる【平和希求の食のパターン化支援】をせざるを得ず,さらに〈肥満の認知〉後は【減量のためのパターン崩し】を試みるが,【平和希求の食のパターン化支援】に傾きがちで肥満容認に至っていた。結論:看護への示唆として【減量のためのパターン崩し】の強化と【平和希求の食のパターン化支援】の弱化の必要性が示唆された。