著者
野中 壽子
雑誌
人間文化研究 = Studies in Humanities and Cultures (ISSN:13480308)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.77-84, 2019-01-31

保育内容や保育者の資質が同等と思われる同一市内の公立保育所のうち、園庭の広さが顕著に異なる2園について、幼児の身体活動量や活動内容及び運動能力を3歳から5歳まで縦断的に比較し、空間的環境が身体発達に及ぼす影響について検討した。午前中の活動中における1 時間あたりの平均歩数は、園庭の広い園が有意に多く(p<0.01)、3期を通してその傾向は変わらなかった。運動能力テストで両足跳びこしは有意差がみられたが、運動能力の両園の差は顕著ではなかった。しかし、園庭環境は運動能力に顕著な差はもたらしてはいないが、多様な動きの獲得に影響を及ぼすことが示唆された。