著者
中村 和哉 奈良 一寛 野口 智紀 大城 哲也 古賀 秀徳
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.9, pp.514-517, 2006-09-15 (Released:2007-09-29)
参考文献数
15
被引用文献数
6 12

ジャガイモおよびその加工食品(製品)に含まれるγ-アミノ酪酸(GABA)含量について検討した.(1)ジャガイモ22品種を用いて,総遊離アミノ酸含量およびGABA含量について比較したところ,総遊離アミノ酸含量には品種間差(239~819mg/100gFW)が認められた.また,GABA含量も品種間差が認められ,“インカレッド”で最も多かった(61mg/100gFW).(2)加工用品種である“トヨシロ”におけるアミノ酸組成について検討したところ,総遊離アミノ酸含量は,100g当たり416±100mgであり,GABAは総遊離アミノ酸含量の約7~8%を占めていた.さらに,全総遊離アミノ酸含量とGABA含量との間に正の相関(r=0.8048)が認められた.(3)ジャガイモを原料とした製品におけるGABA含量を分析したところ,ジャガイモを主原料とする製品では100g当たり約61mg認められた.一方で,ジャガイモを主体とし,小麦粉を配合した製品では約20mg, ジャガイモを含まない製品では数mgであり,製品に用いる原料の割合としてジャガイモが多いほどGABA含量が多くなると考えられた.