著者
朝倉 俊成 清野 弘明 野崎 征支郎 阿部 隆三
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.44, no.5, pp.423-427, 2001-05-30 (Released:2011-03-02)
参考文献数
9
被引用文献数
1

糖尿病患者が外食時にインスリン自己注射を行うことに関して, 飲食店はどのように捕らえているのかを調べるために太田西ノ内病院から半径約5km以内に位置する飲食店150店舗を対象にアンケート調査を実施した. 回収は89件 (59. 3%) であった. その結果, 料理の提供時間は最短で7. 1±9. 5分 (M±SD), 最長は20. 1±15. 0分であった. インスリン注射を患者自身が行なっていることは68. 5%が知っており, 店内でインスリン注射を見たことがあるとの回答は15.7%であった. 料理の量や提供時間などの客からの要望に対しては80%以上が対応できると答えた. また75. 0%がインスリン注射についての情報を知りたいと答えていた. インスリン療法に関する情報提供などを通じ, 患者のインスリン注射の環境改善に薬剤師が貢献できると考えた
著者
朝倉 俊成 野崎 征支郎 清野 弘明 阿部 隆三
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.42, no.7, pp.537-540, 1999-07-30 (Released:2011-03-02)
参考文献数
6
被引用文献数
4

外食時のインスリン自己注射には, 心理的な要因等によるコンプライアンスの低下が予想される. そこで, 当院でインスリン自己注射している糖尿病患者716名を対象とし, アンケートにより外食時のインスリン注射の実態を検討した. 回答は501名 (年齢55.9±15.5歳: M±SD, 回収率70.0%) から得られた. 結果は, 「他の客が気になる」が63.1%, 「注射時間が気になる」が65.9%で, いすれも若年層で有意に高かった. 注射することを気にしている患者の56.7%が「注射場所の有無」について考慮していた. 注射場所はトイレが46.9%, 洗面所が32.1%, 食事する席が28.9%であった. 本調査により, 注射場所を具体的に想定したインスリン注射指導を取り入れる必要性があると思われた. さらに, 注射操作法の工夫や簡便な注射器の開発, そして自然に自己注射が行える社会的な環境整備を行うよう働きかける必要があると思われた.