著者
野嵜 茉莉 杉本 和那美 益川 満治
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
日本心理学会大会発表論文集
巻号頁・発行日
vol.84, pp.PO-056-PO-056, 2020

<p>「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」の1つに「健康な心と体」が挙げられており(文部科学省,2017),幼児期に身体を動かすことは心身両面の発達に重要だと言える。本研究では,幼児の運動好きの程度及び外遊びの実態が気質との関連について検討した。幼稚園1園の年少~年長の保護者を対象にwebによる質問紙調査を行い,42名から回答を得た。運動に関連する項目として,身体を動かすことは好きか(運動好き),身体を活発に動かす遊びをよくするか,外遊びをする時間,外遊びの種類を尋ねた。気質については,簡易版幼児気質質問紙(武井ら,2007)を使用した。分析の結果,運動好き・活発さと順応性・外向性との間に有意な正の相関,注意の転導性との間に有意な負の相関が見られた。一方,外遊びの時間,外遊びの種類と気質との間に有意な相関関係は見られなかった。幼児教育の基本として,遊びを通した指導,子ども一人一人の経験や発達段階に応じた指導がある(文部科学省,2017)。外遊びにおいて子ども一人一人の気質を考慮に入れながら指導することで,より多くの幼児が身体を動かすことの楽しさを経験することができるだろう。</p>