著者
野村 博義 若見 昇
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.77, no.9, pp.1241-1249, 1994-09-25
被引用文献数
28

遺伝アルゴリズムによるファジー推論ルールの新しい決定法を提案する.本手法では,入出力データに基づき,簡略ファジー推論のルールの数と前件部のメンバシップ関数を遺伝アルゴリズムを用いて決定し,ルールの後件部をデルタルールを用いて決定する.遺伝アルゴリズムは,生物の進化の法則から発想された最適化手法である.遺伝アルゴリズムをファジー推論ルールの自動チューニングに用いることで,評価関数を従来の推論誤差だけではなく,入出力データの数やルールの数を考慮した関数にすることができ,更にルールのチューニング過程において局所解からの脱出が実現される可能性が出てくる.本論文では,まず,デルタルールによるルール後件部の決定法について説明し,次に遺伝アルゴリズムによるルールの数と前件部のメンバシップ関数の決定法について述べる.そして最後に,簡単な数値例を説明し,本手法により入出力データの数やばらつきに応じたルールの決定ができることを示す.