著者
山田 哲治 塚本 浩史 白石 友紀 野村 哲也 奥 八郎
出版者
The Phytopathological Society of Japan
雑誌
日本植物病理学会報 (ISSN:00319473)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.532-540, 1990-10-25 (Released:2009-02-19)
参考文献数
19
被引用文献数
17 22

サクラてんぐ巣病菌(Taphrina wiesneri),モモ縮葉病菌(Taphrina deformans),スモモふくろみ病菌(Taphrina pruni)など,植物に増生病を引き起こすタフリナ属病原糸状菌はインドールピルビン酸(IPyA),インドールアセトアルデヒド(IAAld)を中間代謝物としてトリプトファン(Trp)からインドール酢酸(IAA)を合成する。これらの糸状菌はまた,インドールアセトニトリル(IAN)をIAAに転換する能力をもつ。IANをIAAに転換する酵素,IANニトリレースは基質誘導を受ける適応酵素であるが,TrpをIPyAに転換する酵素,Trpアミノトランスフェラーゼは基質によって誘導を受けない。
著者
野村 哲也 西良 雅夫 中筋 加恵 澤井 克彦 吉川 範子 立川 茂樹 安宅 啓二
出版者
The Japanese Society of Intensive Care Medicine
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.11, no.3, pp.223-226, 2004-07-01 (Released:2009-03-27)
参考文献数
10

急性の肺血栓塞栓症を来し心停止となったが,3時間の心肺蘇生法の後に心拍が再開し,ほとんど神経学的欠損なしに回復した症例を経験した。症例は57歳,女性。左股関節再置換術を受けるため,深夜の長距離バスを利用して翌朝に来院,直後に心停止となった。乗車中ほとんど動いていなかった。3時間の胸骨圧迫による心肺蘇生法の後,心拍が再開し意識が回復した。肺動脈近位部の血栓が心臓マッサージにより破砕され,心拍が再開した可能性が考えられた。長時間の心肺蘇生法を行ったが出血所見を認めなかった。肺動脈の血栓を破砕吸引し,血栓溶解療法を行った。その後肺水腫となり,循環も不安定であったが,徐々に改善し人工呼吸器からも離脱できた。上肢にわずかに振戦を認めたのみで独歩退院できた。心肺蘇生法をいつまで行うかについては明確な基準はないが,長時間の心肺蘇生法にもかかわらず神経学的後遺症をほとんど認めなかった症例を経験した。