著者
長板 光男 野村 正彦
出版者
千葉大学
雑誌
千葉大学教育学部研究紀要 (ISSN:13482084)
巻号頁・発行日
vol.54, pp.25-30, 2006-02-28
被引用文献数
1

現代社会で青少年の置かれた状況は,物質的に豊かになった反面,ストレスと戦いながら生きていくことが求められる。また一方では,夜型社会の到来で生活が不規則になりがちである。本研究において,大学生を被験者として睡眠と疲労感に関する実態調査を行なったところ,朝の疲労感や意欲のなさを訴える姿が浮かび上がってきた。筆者らはこの実態をふまえ,内分泌ホルモンである唾液中コルチゾール,メラトニンの生理的指標からELISA法でサーカディアンリズム障害の分析方法の確立をめざした。サンプル数は少なかったが,本研究で開発したプロトコールで十分分析できることが確認された。さらに生理的指標のみならず心理的指標との組み合わせでリズム障害を判別する方法を提起した。いずれにしても身体のリズム性に留意し,朝の疲労感のない生活がストレスへの対処上も重要であると思われる。