著者
田中 健一
出版者
名古屋大学高等教育研究センター
巻号頁・発行日
2012

2011年度名古屋大学学生論文コンテスト優秀賞(附属図書館長賞)受賞
著者
田中 健一郎
出版者
熊本大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

私は多くの疾患の原因が活性酸素による組織傷害であることに着目し、活性酸素を消去するストレスタンパク質、SODに注目した。私は、SODにリン脂質を結合させその組織親和性と血中安定性を向上させたDDS製剤・PC-SODを開発し、この薬が炎症性腸疾患、肺線維症、COPDの動物モデルで予防・治療効果を発揮することを見出した。
著者
加藤 涼太 田中 健一 小寺 正明 船津 公人
出版者
公益社団法人 日本化学会・情報化学部会
雑誌
ケモインフォマティクス討論会予稿集 第42回ケモインフォマティクス討論会 東京
巻号頁・発行日
pp.1P12, 2019 (Released:2019-10-22)
参考文献数
7

化合物の物性を予測する手法の一種に、定量的構造物性相関(QSPR)がある。QSPRでは、物性既知の化合物を用いて化合物の構造と物性値の間の関係を統計的手法でモデル化する。QSPRの入力として化学構造から計算した記述子を用いる場合、多くの記述子の中から最適な組合せを見つけなければならず、その中に予測に必要な情報が十分に含まれているか分からないという問題もある。そこで、本研究では記述子を計算することなく原子の3次元座標値と原子番号および分子のグラフ構造を入力とし、Graph Convolutional Neural Network(GCNN)を用いた予測手法を開発した。記述子を用いる手法と比較した結果、予測タスクによって提案手法が勝る場合も劣る場合もあった。その原因としてモデルの表現力の不足が考えられるため、入力方法やモデル構成を改良することで性能が向上すると考えられる。
著者
岡田 洋右 田中 健一 田中 良哉
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.111, no.4, pp.758-764, 2022-04-10 (Released:2023-04-10)
参考文献数
8

骨粗鬆症の予防と治療の目的は,骨折を予防し骨格の健康を保って,生活機能とQOL(quality of life)を維持することである.そのためには,種々の骨粗鬆症治療薬から個々の症例において,症例背景や作用機序を考慮して薬剤選択をするべきであり,骨密度増加・骨折予防効果のエビデンスのみならず,アドヒアランス,副作用,薬価も念頭においた治療方針を立てる必要があり,長期的な視点に立ち個々の患者に適した薬剤を選択することが重要である.
著者
川原 正博 田中 健一郎 根岸 みどり
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.54, no.7, pp.663-666, 2018 (Released:2018-07-01)
参考文献数
13

必須金属である亜鉛(Zn)は、脳内では多くはシナプス小胞内に含まれ、神経細胞の興奮と共にシナプス間隙に放出される。このZnは脳神経系の機能発現、記憶学習にとっても重要な働きを持つ。近年、アルツハイマー病、プリオン病、脳血管性認知症などの神経疾患の発症にZnが重要な働きを持つことが明らかになってきた。ここでは、シナプスにおけるZnと疾患関連タンパク質の相互作用、そして神経疾患の発症に及ぼす影響について概説したい。
著者
錦織 寿 田中 健一 佛淵 のぞみ 瀬戸 房子
出版者
鹿児島大学
雑誌
鹿児島大学教育学部研究紀要. 自然科学篇 (ISSN:03896692)
巻号頁・発行日
vol.64, pp.17-23, 2012

ドラゴンフルーツ(ピタヤ)は中南米原産のサンカクサボテンの果実で,近年では鹿児島県でも栽培されるようになり,主に食料品として利用されている。また,世界的にも研究が進められており,果実の色の異なる各品種の利用や有効成分の解析が報告されている。その一方,ドラゴンフルーツの色素を利用した染色法の開発についてはほとんど報告されていない。そこで,染色のための色素抽出と羊毛布の染色の検討を行った。本研究では赤紫色の果実をもつドラゴンフルーツ(レッドピタヤ)を用いた。この赤紫色はベタレインという色素により発色されており,赤色のベタシアニン類と黄色のベタキサンチン類に分けられる。検討の結果,アセトンを用いて黄色の色素を抽出した後,蒸留水を用いて短時間で抽出を行うことにより二種類の色素抽出液を分取することができた。また,得られた色素抽出液を用い,酒石で媒染することにより羊毛布を鮮やかな赤紫色に染めることができた。
著者
沼田 康平 田中 健一 船津 公人
出版者
公益社団法人 日本化学会・情報化学部会
雑誌
ケモインフォマティクス討論会予稿集 第43回ケモインフォマティクス討論会
巻号頁・発行日
pp.1A02, 2020 (Released:2020-11-29)
参考文献数
11

材料開発や医薬品開発の現場では、大量の候補から目的の物性・活性を満たす化合物を探索する。ここで、金銭的・時間的コストの改善を目的として、実験回数の低減が求められている。機械学習による予測モデルを活用して実験回数の低減を実現する方法として、Sequential Model-Based Optimization (SMBO) が存在する。モデルとして用いられる既存手法は外挿の予測に適していない一方で、化合物探索においては、既存のデータから離れた物性・性能を達成するために外挿性が求められる。そこで本研究では、外挿に対応可能な非線形回帰手法、Stochastic Threshold Model Trees (STMT) を提案し、SMBOに適用することで効率的な化合物探索を目指した。STMTに対して新たな獲得関数を適用することで、検証に用いたデータセットについて、その探索性能が既存手法よりも優れていることを示した。また、各手法の探索過程について可視化を行い、提案手法が効率的な探索を行えることを確認した。
著者
田中 健一 岡本 豊 竹岡 明美 井野 隆光 河野 茂勝 大幡 勝也 川合 満 前川 暢夫
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.199-206, 1984-04-30 (Released:2017-02-10)
被引用文献数
3

喘息惹起を目的として作られた同じ動物モデルに鼻アレルギーが惹起できる可能性を示した.酢酸エチルに溶解した10%TDI溶液を1日1回連続5日間モルモット鼻前庭に塗布し, 3週間の無処置期間をおいて5%TDI溶液で同様の方法によりチャレンジした.この誘発法をその後週2回約3カ月くりかえした.誘発期間中呼吸困難の程度にかかわらず, くしゃみ, 鼻汁が動物に観察された.鼻汁中には多数の好酸球が認められた.組織学的検索においては分泌機能の亢進と共に, 好酸球浸潤, 肥満細胞の脱顆粒を示唆する像が鼻粘膜に認められた.TDI結合モルモット血清アルブミンを用いて鼻粘膜よりのヒスタミン遊離を検討した場合, 抗原刺激による有意のヒスタミン遊離増加が感作動物に観察された.実験結果は喘息と鼻アレルギーの発症機序に共通性のあることを示唆すると共に, TDIによる喘息モデルがアレルギーの基礎的臨床的研究にも適していることを示した.
著者
稲本 亮平 田中 健一 竹波 信宏 松本 淳一 土居 幹治 藤島 哲郎 河野 修一 江崎 次夫 全 槿雨
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.162-165, 2013 (Released:2014-04-02)
参考文献数
4
被引用文献数
1 3

エチゼンクラゲや食用クラゲなどのクラゲ類を脱塩・乾燥しチップ化したクラゲチップは,自重の約 8 倍の水を吸収するという保水性に優れ,保水機能の低下後は微生物などによって分解され,化学肥料並みの窒素含有量を含むなど肥料効果が認められる。さらに製材の際にでるオガクズも分解のやや遅い有機質の保水材として着目し,この両者の保水性と遅効性の肥料効果を活かして種子吹付工の資材に組み込んだ有機緑化資材を開発した。林道切取りのり面での半年間の実験の結果,植生の発芽や生育状況が無施用区に対して,有意な差を示し,その有効性が確認された。今後,周辺環境に対する負荷の少ない有機質のり面緑化用資材としての活用が期待できる。
著者
井上 貴央 田中 健一 船津 公人
出版者
公益社団法人 日本化学会・情報化学部会
雑誌
ケモインフォマティクス討論会予稿集 第43回ケモインフォマティクス討論会
巻号頁・発行日
pp.1A12, 2020 (Released:2020-11-29)
参考文献数
5

創薬や材料開発では, 所望の性質を持つ新規有機分子の効率的な探索手法が求められている. 定量的構造物性相関モデルとしてグラフニューラルネットワーク (GNN) と呼ばれる深層モデルを用いることで, 既存の特徴抽出手法を用いるよりも良い予測性能で, 候補構造のバーチャルスクリーニングができる. しかし, 先行研究では学習に多量の化学構造データを利用しており, 興味のある構造・物性データが多量に集まりにくい分子設計の現場では, 十分な予測性能が得られない可能性がある. 本研究では, Message Passing Neural Network (MPNN) と呼ばれるGNNモデルの中で特徴ベクトルに摂動を加えることでグラフデータの拡張を行うPerturbating MPNN (PMPNN) を設計した. QM9データセットでMPNNとの比較を行い, 提案手法の有効性を検証し, 予測に対する摂動の効果を考察した. また, データ拡張により約半数のデータセットでも元と同等の予測性能が得られ, 少量のグラフデータでもうまく特徴抽出できると示唆された.
著者
丹野 一輝 田中 健一
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.467-474, 2020-10-25 (Released:2020-10-25)
参考文献数
19

本稿では,ネットワーク上の移動者が経路途中で施設に立ち寄る行動に着目し,集客数が最大になるように施設を配置する問題を提案する.施設における利用者数が増加することによる混雑コストを考慮する点がモデルの大きな特徴である.提案モデルでは,移動者が (1)施設までの移動時間と施設の利用時間の和が最小となる施設を利用する,(2)総所要時間がすべての施設において一定以上となる場合にはどの施設も利用しない,と仮定する.提案モデルは,ある所与の施設配置における施設の総利用者数の算出に最適化問題を解く必要が生じるため,最適化問題を内包した最適化問題 (二段階最適化問題) として定式化される.そのため,局所最適解を求めるヒューリスティックな解法も併せて提案する.提案モデルを実際の道路網に適用したところ,施設で発生する混雑の度合いにより施設配置が大きく変化する様子が確認できた.
著者
小林 奈保子 下田 実可子 清水 綾音 川原 正博 田中 健一郎
出版者
公益社団法人 日本アロマ環境協会
雑誌
アロマテラピー学雑誌 (ISSN:13463748)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.1-9, 2021-02-05 (Released:2021-02-09)
参考文献数
17

皮膚は表皮(ケラチノサイト),真皮(ファイブロブラスト),皮下組織から構成されており,生体内部の保護や体温調節などの役割を果たしている。また,表皮最下層の基底層にはメラニンを産生するメラノサイトが局在している。一方,紫外線(UV)などの刺激に曝されると,皮膚障害(ケラチノサイトでの細胞死)・メラノサイトでの過剰なメラニン産生・ファイブロブラストでのコラーゲン産生低下が起こる。このように,皮膚がUVに繰り返し曝露されると,酸化ストレスによる障害が蓄積し,シミ・シワを特徴とする「光老化」が引き起こされる。そこで,本研究では,酸化ストレスによる皮膚障害を抑制する精油を網羅的スクリーニングにより発見することを目的として実施した。その結果,ラベンダー精油がケラチノサイト保護とコラーゲン産生低下の回復,ジャスミンAbs.がメラニン産生抑制とコラーゲン産生低下の回復という複数の保護作用を持つことを見いだした。また,これらの保護作用は抗酸化作用を介する可能性が示唆された。今後さらなる解析を行い,酸化ストレスによる皮膚障害を抑制する最適な精油を提案したい。
著者
田中 健一 古田 壮宏
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画. 別冊, 都市計画論文集 = City planning review. Special issue, Papers on city planning (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.145-150, 2010-10-25
参考文献数
12
被引用文献数
2

Hodgsonによって提案された捕捉フロー最大化問題は、移動経路上で施設を利用可能な需要を最大化するように定められた個数の施設を配置する問題である。本稿では鉄道利用者に着目し、意思決定者が需要獲得力と設置コストの異なる二種類の施設を配置可能な状況を仮定し、総資金制約のもとで各施設の組み合わせとその配置を同時に決定する問題を提案する。鉄道利用者にとって、起点駅と終点駅にある施設はアクセルが容易であるが、途中通過駅にある施設を利用するためには途中下車が必要であるため大きなコストが発生する。これを抽象的に捉え、小施設は配置された駅を起点駅または終点駅とするフローのみを捕捉可能であり、大施設は配置された駅を移動経路に含むフローを捕捉可能であると仮定する。提案モデルを現実の山手線上の流動データに適用し、最適配置結果を詳しく分析する。また山手線上のOD表を用いて捕捉フローを可視化し解の特徴を分析する。さらに両者を組み合わせて配置可能な場合には、同一資金で一方のみを最適に配置する場合よりも多くのフローを捕捉可能なケースを示す。
著者
山本 寛人 田中 健一 山下 俊介 浮田 昌一 中野 博史 白沢 楽 冨谷 茂隆 小寺 正明 船津 公人
出版者
公益社団法人 日本化学会・情報化学部会
雑誌
ケモインフォマティクス討論会予稿集 第42回ケモインフォマティクス討論会 東京
巻号頁・発行日
pp.1P19, 2019 (Released:2019-10-22)
参考文献数
4

電子エネルギー損失分光法(EELS)から得られたスペクトルデータの解析手法について報告する。EELSは電子線を試料に照射し、透過した電子線に磁場をかけて分光し、エネルギー損失から試料の状態を推定する分析手法である。提案手法では、EELSスペクトルデータに2種類の前処理を適用し、主成分分析による解析を行った。ドライエッチング時のダメージの状態把握および、GaInN量子井戸におけるインジウム含有量の推定結果について報告する。
著者
加藤 涼太 田中 健一 小寺 正明 船津 公人
出版者
公益社団法人 日本化学会・情報化学部会
雑誌
ケモインフォマティクス討論会予稿集 第41回ケモインフォマティクス討論会 熊本
巻号頁・発行日
pp.1P02, 2018 (Released:2018-10-26)
参考文献数
10

化合物の物性を予測する手法の一種に、定量的構造物性相関(QSPR)がある。QSPRでは、物性既知の化合物を用いて化合物の構造と物性値の間の関係を統計的手法でモデル化する。QSPRの入力として化学構造から計算した記述子を用いる場合、その中に予測に必要な情報が含まれない可能性や、3次元構造の考慮が難しいという問題が挙げられる。そこで、本研究では記述子を計算することなく原子の3次元座標値と原子番号を入力とする統計手法を開発した。前処理で座標系の統一等を行った各原子の座標値と原子番号を再帰型ニューラルネットワーク(RNN)の入力として用いモデルを構築した。 オクタノール水分配係数に関して、記述子を用いる既存の手法と比較し、提案手法の予測精度が優れていることを確認した。今後、データセットの形式による影響の除去、複数の立体配座の考慮により、より汎用な手法になると期待される。
著者
菅原 悠樹 小寺 正明 田中 健一 中野 博史 浮田 昌一 白沢 楽 冨谷 茂隆 船津 公人
出版者
公益社団法人 日本化学会・情報化学部会
雑誌
ケモインフォマティクス討論会予稿集 第41回ケモインフォマティクス討論会 熊本
巻号頁・発行日
pp.2C08, 2018 (Released:2018-10-26)
参考文献数
8

蛍光物質は液晶ディスプレイや照明、創薬の動物実験などの広い用途で用いられており、重要性が高まってきている。蛍光を示す化合物のなかでもBODIPYと呼ばれる二置換ホウ素原子とジピロメテンの複合体を分子骨格に有する化合物は、シャープなスペクトルを持ち、溶媒環境による波長変化の影響が小さく、量子収率が安定して高いので実用性が期待される。本研究では望ましい物理的性質を持つ新しい候補BODIPY化合物を迅速かつ正確に予測するモデルを提案する。提案モデル(MAE = 17.34、R2 = 0.90)は、量子計算モデル(MAE = 24.71、R2 = 0.84)と比較して、非常に正確な性能を示した。提案モデルが、吸収波長の予測に重要と判断した記述子には化学の知見と一致するものもあり、提案モデルの信頼性を示している。しかし提案されたモデルは溶媒情報を適切に活用できておらず、今後のさらなる改良が期待される。