著者
野津 双葉 橋本 剛
雑誌
研究報告ゲーム情報学(GI) (ISSN:21888736)
巻号頁・発行日
vol.2019-GI-41, no.2, pp.1-8, 2019-03-01

近年,ヘッドマウントディスプレイ(以下HMD)を用いるコンテンツの普及が進んでいる.現在,HMDを用いた施設や番組など広く認知が進んでいるが,個人レベルでの普及はまだ浸透しておらず,ゲーム業界でもHMDの高コスト問題が挙げられている.そこで,開発コストの低い古典的2Dゲームに着目し,HMDを用いて360度視点のゲームに変更する研究を行ったところ,画面を拡大させて視界を制限することで面白くなることが明らかになった.視界の外を見るために頭を動かす必要性を生み出したことが面白さを増加させる要因の1つであると予測したが,どのような要素がどのような面白さにつながるかなど,まだ詳しい仕組みは明らかになっていない.本研究では,画面拡大に着目し,HMDゲームのより細かな要因について古典ゲーム「マッピー」を用いて調査を行った.これにより,2DゲームのHMDゲームリメイクなどにおいて,画面拡大の比率によってどのような印象を与えるか,指標を提案する.