著者
木下 紀正 野田 二次男
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.36, no.7, pp.496-504, 1981-07-05

高エネルギーでの素粒子実験の進歩はめざましく, ハドロン・ハドロン及びレプトン・ハドロン衝突と共に重心系エネルギー35GeVに達する電子・陽電子衝突のデータも得られつつある. これらの高エネルギー反応における主要な現象は沢山のハドロンの生成であり, それらはいくつかの向きに束になったジェット構造をなして放出される. これらの現象の研究から, ハドロンの内部構造や, ハドロン相互作用の基礎理論と考えられる量子色力学の量子であるクォークとグルーオンの生態と行動を読みとる事が進められている.