著者
平野 隆之 佐藤 智喜 野田 淳彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.79, no.3, pp.616-623, 1996-03-25

土曜日と日曜日は商いを行わない株価データなどのように, データ落ちのために不等間隔となっているデータに適用する指数平滑法として, 神経細胞内で行われている情報処理の不応期(refractory)という性質を組み込んだR最適指数平滑法を提案した. これは, データ間隔が2倍, 3倍と開いたとき, その直後のデータを, 平滑化パラメータを増大することで相対的に重視しようという考えである. そして, データ間隔に応じて平滑化パラメータを最適化したR最適平滑化パラメータを, 解析的に導出し, その性質を明らかにした. また, 数値シミュレーションにより, データ間隔が変化しても平滑パラメータを固定した従来の場合と比べ, 本提案は平滑処理の精度が上がることを確かめた.