著者
野間 慶子 小川 賀代
雑誌
研究報告教育学習支援情報システム(CLE)
巻号頁・発行日
vol.2011-CLE-6, no.1, pp.1-6, 2011-11-24

e ラーニング学習では,学習履歴データの取得が容易である事から,近年では取得した学習履歴データを解析し,学習支援の活用に向けた研究が盛んである.しかし,LMS から取得できる履歴データは,学習者の行動パターンを推定することはできるが,問題に対する集中度合いや,行き詰まりなど個人の学習状況の把握は難しい.そこで,集中力や眠気によって変化する事が知られている瞳孔反応を利用し,これまでの学習履歴データと併せることで,より的確な学習支援が行えると期待できる.しかしながら,瞳孔反応は,集中力だけでなく,外界の光量の影響を受けることが知られている.そこで,本稿では,光量の影響を受けない環境条件を整備し,瞳孔反応と集中力の関係を調べ,学習状況のパターン化の検討を行った.その結果,計算時における 4 つの学習状況におけるパターンを見出し,行き詰まり判定の可能性を得た.