著者
橋本 智也
雑誌
研究報告教育学習支援情報システム(CLE)
巻号頁・発行日
vol.2015-CLE-15, no.1, pp.1-5, 2015-01-24

大学には,質を伴った学修時間の増加・確保と,改善を組織的に継続させる内部質保証の体制整備が求められおり,その実現のためにはデータに基づく検証システム (institutional research;IR) の確立が有効とされる.しかし,その具体的な分析方法,組織的な取り組み方については,研究の蓄積が十分ではない.そこで,本研究では,学生の学修時間を質・量ともに向上させるための組織的な取り組みを行った.具体的には,学生の学修時間と成績・意欲の関係について分析を行い,その結果を学内で共有した.さらに改善のための取り組みを進めている.その具体的な分析方法と実施体制を報告し,取り組み内容が一定の条件の下,他大学でも応用可能であることを示す.
著者
森 美穂 多川 孝央
雑誌
研究報告教育学習支援情報システム(CLE) (ISSN:21888620)
巻号頁・発行日
vol.2019-CLE-29, no.16, pp.1-5, 2019-11-08

本稿では,高校 1,2年生 (普通科) を対象に,小中学校,高等学校および家庭におけるコンピュータの利用,特にタイピングスキルに関わる教育経験や,ローマ字綴り,キーボードの機能に関する理解度について質問紙調査することで,どのような経験やサポート,教育機関等での連携が,タイピングスキル習得のために不足しているのかを明らかにする.
著者
田中 洋一 山川 修
雑誌
研究報告教育学習支援情報システム(CLE) (ISSN:21888620)
巻号頁・発行日
vol.2018-CLE-25, no.1, pp.1-5, 2018-06-08

SECI モデル及び e ポートフォリオ ・ リテラシースキルを用いた授業設計について報告する.
著者
竹岡 篤永 根本 淳子 吉田 明恵 高橋 暁子
雑誌
研究報告教育学習支援情報システム(CLE) (ISSN:21888620)
巻号頁・発行日
vol.2016-CLE-20, no.5, pp.1-4, 2016-11-11

大学連携による e ラーニングの質保証ガイドラインに基づいたチェックシートを試作した.チェックシートとガイドラインとを一体化させ,対象コンテンツの情報をチェックシートに記載することによってガイドラインの内容を保証させるようにした.また,チェックシートをガイドラインに準拠させる中で,ガイドラインの見直しにも取り組んだ.この一連の経緯を報告する.
著者
福原美三
雑誌
研究報告教育学習支援情報システム(CLE)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.1-1, 2014-01-24

2012 年以降、欧米を中心として大規模オンライン公講座 (MOOC) が急速に拡大し、世界的な潮流となっている。この流れに対応すべく、昨年 11 月に一般社団法人日本オープンオンライン教育推進協議会 (JMOOC) が発足した。JMOOC での本格的なオンライン講義開講は本年 4 月からである。現在、開講に向け準備をすすめているところであるが、ここでは世界的な MOOC の状況と合わせ、JMOOC で想定する日本発の MOOC についての狙い、展望とあわせ技術的、制度的課題などについて述べる。
著者
田村 恭久
雑誌
研究報告教育学習支援情報システム(CLE)
巻号頁・発行日
vol.2014-CLE-13, no.11, pp.1-6, 2014-05-09

今後普及が予想される電子教科書における Learning Analytics 向けデータ項目とその活用方法について議論する。タブレット PC 上で閲覧・操作する電子教科書では、従来の LMS 上での学習より多量・多種の学習者データが取得可能である。学習者が書き込んだノートやハイライト、辞書や参考書の参照、Web リソースの参照、クイズ回答や協調学習の発言書き込みに至る調査・思考のプロセス、また将来は学習者の生理データも取得できる可能性がある。これらのデータを教育ビッグデータとして扱うことで、現在の Learning Analytics がどのように変容するかを議論したい。
著者
亀田 真澄 宇田川 暢
雑誌
研究報告教育学習支援情報システム(CLE) (ISSN:21888620)
巻号頁・発行日
vol.2016-CLE-19, no.5, pp.1-7, 2016-05-13

工学系大学初年次で学習するプレゼンテーション活動 (スライド・シナリオ作成,口頭発表,質疑応答,ピア評価を含む活動) において,Moodle のオンライン小テスト (Quiz) を活用して,ルーブリックによるピア評価を実行させるための運用システムに関する研究成果を発表する.
著者
野間 慶子 小川 賀代
雑誌
研究報告教育学習支援情報システム(CLE)
巻号頁・発行日
vol.2011-CLE-6, no.1, pp.1-6, 2011-11-24

e ラーニング学習では,学習履歴データの取得が容易である事から,近年では取得した学習履歴データを解析し,学習支援の活用に向けた研究が盛んである.しかし,LMS から取得できる履歴データは,学習者の行動パターンを推定することはできるが,問題に対する集中度合いや,行き詰まりなど個人の学習状況の把握は難しい.そこで,集中力や眠気によって変化する事が知られている瞳孔反応を利用し,これまでの学習履歴データと併せることで,より的確な学習支援が行えると期待できる.しかしながら,瞳孔反応は,集中力だけでなく,外界の光量の影響を受けることが知られている.そこで,本稿では,光量の影響を受けない環境条件を整備し,瞳孔反応と集中力の関係を調べ,学習状況のパターン化の検討を行った.その結果,計算時における 4 つの学習状況におけるパターンを見出し,行き詰まり判定の可能性を得た.
著者
辰己丈夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告教育学習支援情報システム(CLE) (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.6, pp.1-7, 2013-12-07

現在、全ての高等学校や、多くの大学において、情報科、情報教育、一般情報教育、情報処理教育などの様々な 「情報の授業」 が実施されている。情報の授業の実態を知るためには、学生らにアンケートやインタビューを行なうことも有効であるが、一方で、学習者 (学生・生徒) らが、ソーシャルメディアに対して発信された 「情報の授業」 への感想も、情報の授業の実態を知るため有用である可能性がある。そこで、筆者は、主にツイッターを対象として 「情報の授業」 などの検索語を利用して調査・分析を行った。本発表では、その内容について報告する。In Japan, many students of universities or high schools are tweeting on their impressions about the class on information study, information processing, computer, network, computer ethics, and usages of office suites. These tweets may be composed in their computer lab in their schools. In this report, I describe the method of analysing on students' tweets. And I point out several problem in the classes.
著者
平田 伊吹 樋口 三郎
雑誌
研究報告教育学習支援情報システム(CLE) (ISSN:21888620)
巻号頁・発行日
vol.2022-CLE-38, no.13, pp.1-5, 2022-10-28

大規模な対面授業や,オンライン授業で,参加者のペアを作成してペアワークを行うには,それを支援するシステムが必要である.学習者共通の基盤システムがない場合を想定し,一般に普及率の高い SNS である LINE を基盤としてペアワークを運営するチャットボットシステムを開発した.学習者・教授者は LINE アプリと自身の個人用 LINE アカウントのみを使用する.チャットボットは LINE Messaging API と専用 LINE 公式アカウントを介して学習者・教授者と対話し,ペアワークの問の設定,事前回答,ペアの作成,ペアの会話,ペアの回答の全体での共有という一連の運営を行う.
著者
物部 寛太郎
雑誌
研究報告教育学習支援情報システム(CLE) (ISSN:21888620)
巻号頁・発行日
vol.2019-CLE-27, no.14, pp.1-8, 2019-03-13

本研究では,学習者の成績のみならず,「教えてもらう人に期待する性質」 や 「教える形式」 といった教え合い関係の嗜好を考慮して,教え合い活動のための学習者の組み合わせを提示するシステムを開発し,実験を行った.e-Learning で同一の教材を利用している学習者同士の教え合いを支援することで,学習者の理解度のばらつきの減少と教師の労力の軽減を目指す.
著者
外村 孝一郎 津志本 陽 梶田 将司
雑誌
研究報告教育学習支援情報システム(CLE) (ISSN:21888620)
巻号頁・発行日
vol.2017-CLE-21, no.2, pp.1-5, 2017-03-14

京都大学情報環境機構では,オープンソースの Sakai CLE をベースにした学習支援システムを導入し,PandA (People and Academe)のブランド名で全学に提供している.本学への導入に当たっては,京都大学における独自の要件に対応するためのカスタマイズおよび,いくつかの機能付加を行っている.本報告では Git を利用したバージョンアップ業務の効率化,オフィスアシスタントを活用した業務支援,および動画配信システム Kaltura の導入について報告する.
著者
間渕 皓介 森本 康彦 宮寺 庸造
雑誌
研究報告教育学習支援情報システム(CLE) (ISSN:21888620)
巻号頁・発行日
vol.2018-CLE-26, no.13, pp.1-8, 2018-11-30

近年,大学等の高等教育機関にとどまらず,小 ・ 中 ・ 高等学校においても,e ポートフォリオを活用した学習が注目されている.この学習において,特に相互評価 (以下,ピア ・ アセスメント) は学習動機を高めるといった効果が期待されている.しかし,ピア ・ アセスメント活動において,たとえば,ピア ・ アセスメントの対象が偏っているといった状況や,ピア ・ アセスメントがあまり行われていない状況があり,ピア ・ アセスメントを促進させるためのファシリテーションが必要であると考えられる.そこで,本研究では,e ポートフォリオを活用した学習において,学習者のピア ・ アセスメント活動を促進させることを目的とする.具体的には,社会ネットワーク分析に基づきピア ・ アセスメントの活動状況に応じたファシリテーションを適応的に提供するシステムを開発し,その有効性を検証するため評価実験を行った.その結果,本システムを利用することで,ピア ・ アセスメント活動が活発化し,様々な人とピア ・ アセスメントを行うようになる可能性が示唆された.
著者
檀 裕也 近藤 洋正 松田 圭司
雑誌
研究報告教育学習支援情報システム(CLE) (ISSN:21888620)
巻号頁・発行日
vol.2017-CLE-23, no.23, pp.1-9, 2017-12-01

高等学校における教科 「情報」 の現状として,商業科では簿記,普通科では数学や理科といった情報分野の専門外の教員が情報の授業を担当しているという実態がある.一方,大学における情報教育では,さらに工業科を含むさまざまな学科出身の入学生を受け入れている.卒業までの専門教育を行うため,情報技術の進歩とともに目まぐるしく変わる学習指導要領における高校の教育カリキュラムの設計と実態を把握し,シームレスな高大接続とともに大学における情報教育を考えなければならない.そこで,情報分野における高大連携の必要性から企画立案された愛媛県立三島高等学校商業科と松山大学経営学部情報コースの間で高大連携プログラミング交流会 (高度情報処理講習会) を実施し,2017 年度で 4 年目を迎えた.本稿では高大連携の取り組みを通じて展望できる今後の情報教育について考察したい.
著者
豊福 晋平
雑誌
研究報告教育学習支援情報システム(CLE) (ISSN:21888620)
巻号頁・発行日
vol.2017-CLE-23, no.26, pp.1-4, 2017-12-01

Open Data Index 等オープンデータに関する国際ランキングには教育領域も含まれている.しかしながら日本の教育分野のオープンデータ活用に対する評価は必ずしも高くない.本論では,各種国際ランキングでの評価状況,オープンデータの整備状況,活用方法の課題と解決方策についてまとめる.
著者
鈴木 新一 水越 一貴 深澤 昌志 八代 一浩 鳥養 映子
雑誌
研究報告教育学習支援情報システム(CLE)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.29, pp.1-6, 2013-12-07

インターネットを利用した遠隔教育を支援するシステムとして edutab を開発した.edutab では遠隔の一人の教師が 5,6 名程度の学習者に対して遠隔会議システムと併用して利用することを想定したシステムである.edutab システムでは教師が PC を持ち,学習者はそれぞれタブレット端末を持っている.この環境下でインタラクティブなコミュニケーションを実現するために,学習者がタブレット上で行う活動をモニタする機能,学習者それぞれと教師の間で共有する個別ホワイトボード機能を実装した.また,児童の IT 機器操作を低減するため,教師 PC のコンソール画面から,学習者のタブレット端末へテキスト,静止画,動画,スライドを遠隔提示する機能を実装した.しかしながら,実際の教育現場では紙を利用した教育活動が広く使われている.そこで,教師と遠隔の学習者の間で紙教材を相互に交換できる機能を edutab に加えた.具体的には従来,1 台のデータセンターに配置したサーバだけで実装していたコアサーバに加えて教師および学習者の近傍にエッジサーバを配置する.エッジサーバにはプリンタおよびスキャナを接続する.コアサーバとエッジサーバの間は HTML5 技術を用いた通信を行う.これにより HTTP が利用できる環境であれば,紙教材を配布することができる.We developed the edutab system that is a support system for distance education with the Internet. The edutab system assumes that a teacher educates remote 5 or 6 students with a TV conference system. A teacher uses a PC and students use a tablet terminal for the edutab system. In order to realize the interactive communication, we implement a monitoring function, individual white board function, and remote presentation function for educational activities between teachers PC and tablet terminals. Papers, however, are commonly used for educational activities in a usual educational environment. Therefor we add a feature that teacher can exchange papers with remote students in educational activates, for the edutab system. The edutab system was originally designed as a concentrate system and the core server placed in a data center. New edutab system was implemented as distributed system because we have to control remote devices. Edge servers are introduced nearby teacher and students to controle devices. A printer and a scanner are connected to this edge server. The HTML5 technologies are used for communication between the core server and edge servers. Therefor we can distribute papers to a remote classroom if edges servers can reach the core server with HTTP.
著者
坂本 毅啓 佐藤 貴之 中原 大介
雑誌
研究報告教育学習支援情報システム(CLE) (ISSN:21888620)
巻号頁・発行日
vol.2015-CLE-16, no.14, pp.1-5, 2015-05-15

これまで,著者らは,社会福祉士養成教育において ICT の活用を検討してきた.その結果として,相談援助演習の模擬面接で利用する,コミュニケーションスキル獲得を目指した教材の開発を行った.本稿では,本教材を用いた授業実践の概要,および,授業時に学生がスマートフォンにより学習を行ったときの評価について述べる.
著者
美濃 導彦
雑誌
研究報告教育学習支援情報システム(CLE)
巻号頁・発行日
vol.2014-CLE-13, no.5, pp.1-6, 2014-05-09

情報通信技術が我々の社会生活の様々な場面に深く入り込んだ社会は情報社会と呼ばれている。情報社会では、ログデータ等として得られる様々な形式の膨大なデジタルデータが蓄積され 「ビッグデータ」 が出現している。このデータの解析を通じて新しい知識や価値を創造する研究開発手法が注目を集めている.一方で大学においても,教育の情報化のための環境整備が進みつつあり、センターサイドではコース管理システム・学習管理システムや e ポートフォリオシステム等が,ユーザサイドでは PC・タブレット・スマートフォン・クリッカ等が,様々な学問分野の多様な教育学習活動において利用されるようになってきた。その結果,様々な形式の膨大なデジタルデータを蓄積し,それらをつなぎ合わせ解析する 「ラーニングアナリティクス」 が注目を浴びている.しかも,MOOC(Massive Open Online Course) の登場により,これまでになかった形での膨大な教育学習記録の蓄積や利活用の可能性も見えてきている.本稿では,情報社会の特性を考えた上で、情報社会における教育の問題を議論した後、大学教育の情報化推進における問題点とビッグデータへの期待について述べ、今後の大学教育改革について考えてみたい。