著者
金 亨冀
出版者
The Japanese Society of Insurance Science
雑誌
保険学雑誌 (ISSN:03872939)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.613, pp.613_207-613_223, 2011

本稿は,最近,改正された韓国の保険業法について,その改正の主要内容を概観することを目的とする。2011年1月24日から施行された改正保険業法の主な内容は,1)契約者への保護装置の強化,2)保険商品の開発及び審査手続きの改編,3)保険募集組織に対する規制体系の整備,4)保険業認可の緩和,5)保険会社の業務範囲の拡大,6)保険会社資産運用の自主性拡大などである。この中でも,政策当局が特に重点を置いて改正した部門は,消費者の保護強化と保険会社の自主性拡大である。今回の保険業法の改正に含まれなかった事項は,共済事業の監督一元化,保険会社への共済業務の許容,保険詐欺と関連した金融委員会の資料提出要請権などであるが,保険業界からは,これらを認めるべきであるとの要望が強く,今後,さらなる議論が展開されると思われる。