著者
那須 守 岩崎 寛 高岡 由紀子 金 侑映 石田 都
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.3-8, 2012 (Released:2013-04-16)
参考文献数
22
被引用文献数
9 9

都市における緑地とその利用行動が居住者の健康関連 QOL に及ぼす影響について把握するために,東京都区内の住宅地においてアンケート調査を実施した。調査データから,緑地環境を含む「地区環境」「利用行動」「健康関連 QOL」を構成概念とするパスモデルを構造方程式モデリング (SEM) によって構築した。その結果,地区環境と利用行動は健康関連 QOL の 20%を説明し,両者の影響は直接的には同程度であること,しかし地区環境は利用行動を通して間接的にも影響することが示唆された。よって健康関連 QOLを高めるためには物理的な緑地環境だけではなく,利用行動も合わせて検討することが重要であると考えられた。
著者
那須 守 大塚 芳嵩 高岡 由紀子 金 侑映 岩崎 寛
出版者
JAPANESE SOCIETY OF REVEGETATION TECHNOLOGY
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.96-101, 2014
被引用文献数
2

住区基幹公園の環境価値形成における行動の影響を把握するために,東京区部の 6公園に対して住民意識調査を実施し,利用者の環境価値意識に関する構造化(SEMモデル)および心理的指標と経済的指標を用いた価値評価を実施した。その結果,SEM モデルから住区基幹公園に対する環境価値が行動の影響を強く受けることが明らかになり,利用者を分類した行動クラスターの比較から行動の多様化が環境価値を高めることが心理・経済的評価の両面において示唆された。地区公園と近隣公園を比較すると,この効果は公園の大きさに関係なく見られ,公園の価値を高めるためには,行動を多様化する質的配慮が有効であると考えられた。