著者
金 廣來
出版者
佛教大学大学院
雑誌
佛教大学大学院紀要. 社会福祉学研究科篇 = The Bukkyo University Graduate School review. 佛教大学学術委員会, 社会福祉学部編集委員会 編 (ISSN:18834019)
巻号頁・発行日
no.42, pp.35-49, 2014-03

2006 年から実施されてきた障害者自立支援法では,応益負担の導入に始まり,様々な機能によって障害者に対する障害福祉サービスの利用を抑制してきた。こうした障害者自立支援法の問題として指摘されているのは,公的責任の縮小による障害福祉サービスの利用抑制であり,その福祉サービスの利用抑制策としては,契約制度,現金給付(利用者補助) 方式,応益負担化,支給決定プロセス,障害者福祉の介護保険化などである。2013 年4 月から実施されている障害者総合支援法は,そのような問題に対してほとんど改善せず,障害者自立支援法の一部改定に留まっている。本稿では,日本の障害福祉サービスに対する利用抑制を総体的に解明するために,障害者福祉政策の変遷過程とそれにしたがう障害福祉サービスの利用抑制を分析するうえで,福祉サービスの利用抑制として支給決定プロセスを中心に検討する。障害者福祉障害福祉サービス障害者自立支援法障害者総合支援法支給決定プロセス