著者
金 惠鎮
出版者
久留米大学
雑誌
久留米大学外国語教育研究所紀要 (ISSN:13406175)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.55-70, 2006-03-31

最近韓国と日本の相互文化交流が活発に行われていて日本での韓国語学習者も増加している。日本では韓国語学習者の学習到達度に対する社会的評価を提供し、学習意欲を高める目的で1992年10月9日に「ハングル能力検定協会」が設立された。「ハングル能力検定試験」は12年が経った現在(2005年7月)まで総24回の試験が実施され、今まで総91,464名が試験を受けた。久留米大学では外国語科目として韓国語I,II,IIIの講義が行われていて、韓国語の授業を受けている学生数は急激に伸びている。さらに、韓国語授業を受けている学生たちの中では自分の韓国語の実力を確認するために「ハングル能力検定試験」を受ける学生も大勢いる。本稿では2005年6月19日(日)に実施された第24回「ハングル能力検定試験」5級を受けた久留米大学学生たちの採点結果を分析して、各問題の得点傾向と出題問題の類型による得点の高低を分析した。その結果全体的には正解率が約80%という高い数値があらわれた。さらに、出題問題を類型別に区分してみると、語彙と挨拶表現では特に高い正解率であることがわかった。しかし、日本語と韓国語の類似しながらも誤用しやすい助詞と文法の面では正解率が低下していることが調査の結果で明らかになった。また「ハングル能力検定試験」を受けた学生たちにアンケートも実施して、韓国語の検定試験勉強と韓国語の学習意欲とはどのような関わりをもっているのかについても分析した。