著者
金井 洋輔 藤本 貴之
雑誌
研究報告知能システム(ICS) (ISSN:2188885X)
巻号頁・発行日
vol.2016-ICS-185, no.3, pp.1-6, 2016-12-06

この近年,人工知能 (AI) への関心が高まっており,様々な分野でのシステム開発や運用が進められ,様々な商品やサービスに AI 的なメカニズムが組み込まれるようになっている.しかしながら,今日,商品化されている AI を標榜した商品やサービスの多くは本来のコンセプトである 「人間らしさ」 が反映できているとは言い難く,実際に利用をすると 「人工知能」 という言葉によって我々がイメージする 「人間らしさ」 の表現とは程遠い.プログラムやシステムとしては,人間らしい学習機構や意思決定機構を有しているのかもしれないが,実際の利用者感覚としては,それらを 「人気らしい」 と感じることは難しい.本研究では,コンピュータによる 「人間らしさ」 の表現を,いわゆる学習能力をもった自律的な人工知能アルゴリズムによって体現することは困難であると考える.そこで,ある特定の人格を設定し,その人格を自律的な学習能力などを与えることなく,ハンドメイドで 「人工人格 (Artificial Personarity : AP) 」 で構築することで,AI よりもよりも 「人間らしい」 表現をするソフトウェアを提案する.