著者
赤石 仁 中野 光臣
雑誌
研究報告知能システム(ICS) (ISSN:2188885X)
巻号頁・発行日
vol.2018-ICS-191, no.9, pp.1-4, 2018-03-19

利他的行動を生み出す機構の一つとして間接互恵性が知られている.この間接互恵性のゲーム理論的モデルとして,ドネーションゲームが広く用いられてきた.本研究では,性別が間接互恵性へ与える影響を,実際の人間によって行われるドネーションゲームを用いて検討する.実験では,まず,学生男女 10 名で実際にゲームを行い,その結果から,間接互恵性における性別による判断の偏りを推定する.その結果,男性から女性に対して利他的行動が行われる基準は低く,逆に女性から男性に対しての基準は高くなる傾向が示された.
著者
星 雄輝 清 雄一 田原 康之 大須賀 昭彦
雑誌
研究報告知能システム(ICS) (ISSN:2188885X)
巻号頁・発行日
vol.2020-ICS-197, no.8, pp.1-7, 2020-02-10

昨今,PC やスマートフォン,インターネットの普及に伴い個人でもゲームを制作することが身近な存在となっている.しかし,作曲・演奏経験の乏しいゲームアプリ開発者にとって,オリジナルの BGM を用意するのはコストが必要となる場合がほとんどである.また,ゲーム音楽といっても,ゲーム音楽ならではの音楽的特徴は幅広く,ゲーム音楽そのものの理論は確立されていないのが現状である.そこで,ゲームのシーンに着目し,音楽をゲームのシーンに合った曲調に変換してくれるシステムによって,音楽理論を理解していなくてもゲームの BGM を用意できるのではないかと考えた.本研究では,CycleGAN を用いたドメイン変換に加え,テンポと音色を考慮することによって,クラシック音楽からシーン別のゲーム音楽を生成することを提案する.評価としては,分類器を用いた変換精度の客観評価とアンケート形式による生成楽曲に対するイメージ及び変換精度を答えてもらう主観評価の 2 つの評価方法を用いて評価を行った.客観評価と主観評価の総合的な評価の結果,「フィールド」と「戦闘」のシーンに変換した楽曲において高い評価が得られた.
著者
金井 洋輔 藤本 貴之
雑誌
研究報告知能システム(ICS) (ISSN:2188885X)
巻号頁・発行日
vol.2016-ICS-185, no.3, pp.1-6, 2016-12-06

この近年,人工知能 (AI) への関心が高まっており,様々な分野でのシステム開発や運用が進められ,様々な商品やサービスに AI 的なメカニズムが組み込まれるようになっている.しかしながら,今日,商品化されている AI を標榜した商品やサービスの多くは本来のコンセプトである 「人間らしさ」 が反映できているとは言い難く,実際に利用をすると 「人工知能」 という言葉によって我々がイメージする 「人間らしさ」 の表現とは程遠い.プログラムやシステムとしては,人間らしい学習機構や意思決定機構を有しているのかもしれないが,実際の利用者感覚としては,それらを 「人気らしい」 と感じることは難しい.本研究では,コンピュータによる 「人間らしさ」 の表現を,いわゆる学習能力をもった自律的な人工知能アルゴリズムによって体現することは困難であると考える.そこで,ある特定の人格を設定し,その人格を自律的な学習能力などを与えることなく,ハンドメイドで 「人工人格 (Artificial Personarity : AP) 」 で構築することで,AI よりもよりも 「人間らしい」 表現をするソフトウェアを提案する.
著者
伊藤 直也 岡田 佑一 米澤 朋子
雑誌
研究報告知能システム(ICS) (ISSN:2188885X)
巻号頁・発行日
vol.2020-ICS-198, no.8, pp.1-8, 2020-02-29

本稿では,ユーザが SNS のつながりを通じ特定のジャンルの知識を獲得することを目指し,適切なレベルや範囲の知識を有した人たちを集めたコミュニティを形成する他ユーザとのつながりの最適化手法を提案する.Twitter ユーザのアカウントを大量に集め,各アカウントの知識量を算出し,アカウント数やツイート数を制約として与えながら知識量を最大化する最適化問題を解くことでコミュニティ構成を決定する.被験者実験の結果から,提案する最適化手法により得られたユーザ群はランダムに選ばれたユーザ群と比較して有意に当該ジャンルの知識が表れていると解釈されたことが示された.
著者
梅本 晴弥 豊田 哲也 大原 剛三
雑誌
研究報告知能システム(ICS) (ISSN:2188885X)
巻号頁・発行日
vol.2017-ICS-186, no.1, pp.1-7, 2017-02-24

世界最大の金融市場である外国為替において,その為替レートの予測を行う研究は以前より行われてきた.近年ではデイトレードと呼ばれる短期的な取引を繰り返す手法の認知度も高くなり,インターネットやスマートフォンの普及により趣味としてデイトレードを行う投資家も増えている.一方で,短期的な外国為替レートの予測を行う研究はまだ少ない.そこで本稿では,短期的な外国為替レートを対象に,閾値による検索範囲の最適化と予測回避を伴う為替レート予測手法を提案する.比較手法として線形回帰,多層パーセプトロンを用い,予測値の誤差,騰落予測性,平均利益の 3 つの観点から提案手法を評価する.また,各手法を用いた擬似トレードを行い,実際に取引を行った場合どれくらいの利益が出るか評価をする.
著者
平石 健太郎 柴田 大地 西田 智裕 山口 直子 鈴木 祥太 芳野 魁 伊藤 孝行
雑誌
研究報告知能システム(ICS) (ISSN:2188885X)
巻号頁・発行日
vol.2019-ICS-195, no.14, pp.1-7, 2019-03-11

本稿では,投稿文書の分散表現を用いたフィルタリング手法を提案する.近年,オンライン上での議論が活発化している.ただし,これらの議論には無関係のスパムなどの有害なコンテンツが多数あり,また相手を侮辱したり差別したりする激しい発言がある.従って,不適切な発言を削除して安全にオンラインユーザーが参加できる議論環境を構築することが必要になる.不適切な発言を削除するには,文書の意味を理解し分類することが必要である.本稿では,doc2vec を文書のベクトル化,ELMo を単語のベクトル化に用い,ベクトル化された文書を文書類似度計算とディープニューラルネットワーク (DNN) を用いてフィルタを構築した.評価実験では提案手法が高い精度で不適切文書を分類できたことを示す.また実際のリアルタイムの議論でも運用を行い実用性を確認する.
著者
川野 陽慈 高屋 英知 栗原 聡
雑誌
研究報告知能システム(ICS) (ISSN:2188885X)
巻号頁・発行日
vol.2020-ICS-198, no.2, pp.1-6, 2020-02-29

人々の生活に AI が浸透していく中で,コミュニケーションの円滑化を図る AI の構想は,「人と AI の共生」という観点から非常に重要なテーマである.本研究では,人間同士のコミュニケーションの中でも,インターネット掲示板での議論のように殺伐とした雰囲気に陥りやすいシチュエーションを想定し,その場の雰囲気を落ち着けるようなシステムの構築を目指す.その第一歩として,インターネット掲示板でしばしば登場する「矛盾塊」と呼ばれるアスキーアートの生成を試みた.具体的には,「画像と単語の意味のズレ」が重要であるとの仮説に基づき,WordNet を用いる手法と,辞書の見出し語を用いる手法を試みた.複数人によるアンケート調査の結果,ランダムで生成したものよりも良いという評価など,一定の成果が得られた.
著者
天野 巧巳 安藤 佳祐 内種 岳詞 岩田 員典 伊藤 暢浩
雑誌
研究報告知能システム(ICS) (ISSN:2188885X)
巻号頁・発行日
vol.2023-ICS-210, no.8, pp.1-6, 2023-03-03

近年サッカーの試合分析では,試合状況と選手の行動から将来得点または失点する可能性を示す期待ポゼッション値 (EPV) が提案されている.本研究では,EPV を用いて RoboCupSoccer Simulation 2D の試合状況と選手の行動を分析し,その有効性を検討する.そのため試合のログファイルから特徴量を抽出し,ニューラルネットワークを用いて EPV の推定モデルを学習,獲得する.得られた推定モデルからパスなどの試合状況分析を通して有効性を確認した.
著者
岸本 大輝 杉浦 巧 山田 悠司 栗原 聡
雑誌
研究報告知能システム(ICS) (ISSN:2188885X)
巻号頁・発行日
vol.2023-ICS-210, no.11, pp.1-7, 2023-03-03

コミュニケーションがオンライン中心となるリモートワーク環境では,意思疎通を通じたストレスの把握が行いにくい.そのため,業務を継続しながら実施できるリモートワーカーのストレス検知が重要となる.今回,この問題へのアプローチとして PC 操作ログ分析と表情分析に着目した.本研究では,リモートワークにおける PC 操作特徴量・表情分析による感情推定値とストレスの関係を明らかにすることを目的としている.まず,心拍センサ・PC 操作ログ取得プログラム・Web カメラからデータを取得して加工・統合の処理を行う環境を構築した.PC 操作ログに関しては,キーボード,マウス,ウインドウの操作ログを取得する.PC 上で行うタスクを設定した上で,疑似的にオフィスワーク及びリモートワークを実施し,データの取得を行った.実験で得られたデータの分析結果として,左クリックの回数や嫌気,悲しみの感情推定値がストレスの変化に関係していることが示唆されたが,どれも弱い相関であった.しかし,業務に慣れるまではリモートワークではなくオフィスワークを実施することでストレスが軽減するという,リモートワークを実施する上で重要となりうる知見が示唆された.
著者
石川 諒人 藤田 桂英
雑誌
研究報告知能システム(ICS) (ISSN:2188885X)
巻号頁・発行日
vol.2018-ICS-191, no.6, pp.1-7, 2018-03-19

不完全情報ゲームにおいて,ポーカーや麻雀,大富豪などの研究が活発に行われている.それらに比べて 7 並べはまだ十分な研究が成されていない.本研究では,7 並べを題材に評価値法と UPP 法の拡張を考案し,手法を導入したエージェントによる対戦実験を行った.評価値法は局面から手に評価値をつける手法で,UPP 法は相手の行動から不完全情報を推測する手法である.実験の結果,提案した評価値法を使ったエージェントが既存手法に有意に勝ち越し,評価値法の有効性を確認した.また,拡張 UPP が既存手法であるモンテカルロ法に劣り,7 並べにおいて UPP 法による推測が有効でないことを示した.
著者
鳥羽 望海 藤本 まなと 諏訪 博彦 酒井 元気 酒造 正樹 安本 慶一
雑誌
研究報告知能システム(ICS) (ISSN:2188885X)
巻号頁・発行日
vol.2022-ICS-206, no.2, pp.1-7, 2022-03-03

労働者の心理状態を知ることは,労働者の不調を上司や産業医が事前に把握し,健全な組織運営をすることに貢献する.一方,昨今の COVID-19 の影響で,労働者がテレワークが取り入れられるようになり,上司や産業医にとってテレワーク中の労働者の心理状態は把握しにくい.我々は費用と労力,感染リスクを減らせるメリットがあるオンラインミーティングサービスに着目し,オンラインミーティングで得られる動画や音声などのマルチモーダルデータを用いて労働者の感情を推定する手法を検討する.オンラインミーティングサービスを用いてグループディスカッションを被験者にしてもらい,そこから映像,心拍など様々なデータをセンシングして参加者の状態を推定する.グループディスカッション中の参加者の心拍,発言録から得られた感情極性,顔のランドマーク座標,他者からの感情アノテーションの 4 種類の指標から,他者への感情アノテーションを推定するために Light GBM (Gradient Boosting Machine),SVR (Support Vector Regression) の解析を行った結果,平均絶対誤差に関して 1.780 という結果を算出した SVR のほうが良いモデルであることがわかった.
著者
齋藤 悠貴 清 雄一 田原 康之 大須賀 昭彦
雑誌
研究報告知能システム(ICS) (ISSN:2188885X)
巻号頁・発行日
vol.2022-ICS-205, no.2, pp.1-4, 2022-02-14

近年,EC サイト等でで「こちらもおすすめ」といったユーザの嗜好に関連したアイテムの機械的な推薦がしばしばみられる.多くの場合,このようなレコメンデーションには協調フィルタリングと呼ばれる推薦手法が採られる.ただし,協調フィルタリングでは購入データや評価データ等の嗜好ベースの情報しか考慮できず,アイテムが持つメタ的な情報が考慮されない問題点が存在する.本研究では,特にアニメ作品に関して,協調フィルタリングの一手法による評価データのみを考慮した特徴量の抽出に加え,アニメ制作業界の関係性を考慮した特徴量の再抽出を試みた.「誰がどの作品を好む」といった情報だけでなく,「誰がどの作品を作ったか」といった情報を組み込んだ特徴量を抽出することを目的とする.業界の関係性の再現にあたっては,グラフを用いた.アニメごとに関連づけられた人・企業の要素を繋いでネットワークとすることで,業界の関係性の再現を試みた.特徴量の再抽出には GCN (Graph Convolutional Network) を用いた.提案プロセスと業界の関係性を考慮しない場合とで特徴量を客観評価によって比較すると,提案プロセスがより高い精度をマークしており,業界の関係性を考慮することの有効性が示唆された.
著者
松本 淳太郎 大知 正直 山下 雄大 榊 剛史 森 純一郎 坂田 一郎
雑誌
研究報告知能システム(ICS) (ISSN:2188885X)
巻号頁・発行日
vol.2017-ICS-187, no.1, pp.1-4, 2017-03-22

本研究では,現在急速に成長しつつある C2C 事業,オンラインフリーマーケットサービスの 「メルカリ」 について,商品情報から消費者の購買行動が予測可能かどうかの検証を行う.Convolutional Neural Network および Random Forest を組み合わせることで,消費者の行動を予測する手法を提案する.また,評価実験より消費者の購買行動には画像情報が影響することを示す事ができた.本研究は急成長しているオンラインフリーマーケット事業の消費者行動について新たな知見を提供するものである.
著者
片岡 瞳 伊東 佑真 小中 祐希 大囿 忠親 新谷 虎松
雑誌
研究報告知能システム(ICS) (ISSN:2188885X)
巻号頁・発行日
vol.2020-ICS-200, no.11, pp.1-8, 2020-09-07

講義やプレゼンテーションなどのパフォーマンスにおいて,仮想エージェントとのインタラクションを含む演出は効果的な場合がある.しかし,そのようなコンテンツを作成するには,事前の準備・打ち合わせや,動画撮影後の編集作業といった手間がかかる.本研究では,この課題に取り組むため,ライブパフォーマンスのための AR パペットを実現する.AR パペットは,パフォーマンスを進行中のパフォーマー自身によって制御される拡張現実空間内の仮想エージェントである.本稿では,ライブパフォーマンスのための AR パペットについて検討し,これを制御するためのシステムについて述べる.
著者
増田 和宏
雑誌
研究報告知能システム(ICS) (ISSN:2188885X)
巻号頁・発行日
vol.2017-ICS-189, no.1, pp.1-8, 2017-07-29

人の記憶や感情などの知識推論を機械推論とは異なる,脳型知識構造で実現した新しい知識推論モデル 「ニューロンナレッジモデル」 を提言し,新知識モデル基盤を利用した感情推論システムについて説明する.ニューロンナレッジモデルはニューラルネットワークには無い高度な記憶の自由度を持ち,新しい知識推論モデルは機械推論の対岸の推論基盤として人工知能研究の礎になると考えられる.
著者
堺 雄之介 竹内 幹太 伊東 栄典
雑誌
研究報告知能システム(ICS) (ISSN:2188885X)
巻号頁・発行日
vol.2021-ICS-203, no.9, pp.1-5, 2021-06-25

近年,SNS での誹謗中傷やいじめ,それを原因とする自殺が問題になっている.動画サービスでも,視聴者が投稿するコメントが荒れ,誹謗合戦になることも発生している.本研究では,機械学習による動画サイトにおけるコメントが誹謗中傷状況にあることの検出を目指す.対象とする動画サイトは YouTube を想定している.コメントが荒れている動画を人力で見つけ,そのコメントデータを正例とする.また荒れていない一般動画のコメントを負例とする.これらのデータを機械学習に適用して炎上状態発見器を作る.機械学習を適用するには,対象のベクトル化と,判別アルゴリズムが重要である.本論文では,コメント収集手法,コメントの炎上判定,ベクトル化,アルゴリズムについて,検討内容を報告する.
著者
大澤 博隆 佐藤 健
雑誌
研究報告知能システム(ICS) (ISSN:2188885X)
巻号頁・発行日
vol.2016-ICS-184, no.6, pp.1-4, 2016-07-29

本研究では,不完全情報ゲームであり,正体隠匿型ゲームに分類されるコミュニケーションゲーム人狼を用い,人狼ゲームの最小系である 3 人人狼を考え,どのような戦略がありうるか検討した.検討のため,各プレイヤーの発言を可能世界の合成として記述するとともに,各プレイヤーのルールを記述するための言語を開発し,総当りで戦略の検討を行った.検討の結果,直感に反し,占い師が積極的に嘘をついた場合でも,村が勝利する場合のあることが判明した.
著者
立浪 紀彦 吉岡 真治
雑誌
研究報告知能システム(ICS) (ISSN:2188885X)
巻号頁・発行日
vol.2018-ICS-192, no.6, pp.1-4, 2018-06-29

多様な配信元によるインターネット上のニュース記事について,それぞれの記事が,取り上げているトピックに対してどのような姿勢 (スタンス) で報道されているのかについて分析するために,統計的有意かつ比較対象とする記事群での支持度 (アイテムの出現頻度 / 全データ数) の比が大きなパターンに注目した Statistical Emerging Pattern Mining を用いた分析手法を提案する.また,予備的な実験をおこない,その考察を行い,提案手法がトピックに特徴的な語を見つけるという性質を持つことを確認したが,ニュースサイトの分析という意味では,まだ不十分であることを確認した.今後は,ニュースサイトの特徴を,より,抽出しやすくするための比較対象とする記事群の設定方法などについて,考察を進めていくことが必要であることが分かった.
著者
宮森 勇作 川村 秀憲
雑誌
研究報告知能システム(ICS) (ISSN:2188885X)
巻号頁・発行日
vol.2016-ICS-184, no.5, pp.1-2, 2016-07-29

人物姿勢推定の研究では,多層の畳み込みニューラルネットワークを用いることで最高水準の姿勢推定を実現している.畳み込みニューラルネットワークの学習には,ラベル付けされた膨大な数のデータセットが必要である.しかし,現実世界で膨大な数のシチュエーションの人物画像を用意するのは難しい.より多くのシチュエーションの人物画像と姿勢情報を同時に自動生成する仕組みを作り,生成されたデータセットを教師データとして機械学習を行うことでより正確な人物姿勢推定が可能であると考えられる.本研究では,学習に十分な数のデータセットを用意するために,3DCG を用いて人物画像と姿勢情報を自動生成した.生成したデータセットを教師データとして深層学習を行った.また,現実の人物画像に則した姿勢推定モデルとなるか否かを検証する前段階として 3DCG の人物姿勢の推定を行い,精度検証を行った.
著者
福島 大地 伊藤 孝紀 西田 智裕 深町 駿平 松岡 弘樹 仙石 晃久 大塚 孝信 伊藤 孝行
雑誌
研究報告知能システム(ICS) (ISSN:2188885X)
巻号頁・発行日
vol.2016-ICS-185, no.8, pp.1-8, 2016-12-06

住民参加によるまちづくりにおいて,公聴会や説明会などに加えてワークショップ (以下 WS) が増えている.まちづくり WS の手法として,従来からの対面式 WS と,我々が提案してきた大規模合意形成支援システムを用いた非対面式 WS がある.対面式 WS は,情報入手や理解を支援するが,時間 ・ 場所の制約という課題がある.非対面式 WS は,時間 ・ 場所の制約を解決できるが,情報入手や理解に課題がある.そこで本研究では,まちづくり WS において,対面式 WS と非対面式 WS の組み合わせた手法を提案する.提案手法による合意形成への有効性を検証することを目的とする.提案手法の有効性は,社会実験により検証する.社会実験では,地権者,住民などに加え学生も参加して,対面式 WS の後に非対面式 WS を行う.それぞれの WS における議論データの分析および参加者へのアンケート調査を行い,提案手法の有効性および課題点を把握する.