著者
金井 賢一 松比良 邦彦 上地 奈美 湯川 淳一
出版者
日本応用動物昆虫学会
雑誌
日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.151-154, 2008-08-25
被引用文献数
1 1

マメ科のデイゴ属は約110種を含み、東アフリカからインド、東南アジア、太平洋諸島、ニューギニア島などの熱帯から亜熱帯にかけて広く分布しており、数種は街路樹や生け垣、防風林、観賞用などに利用されている。日本では、デイゴやアメリカデイゴ、サイハイデイゴなどが古くから沖縄県や鹿児島県、宮崎県などに導入され、植栽されている。デイゴヒメコバチ(ハチ目:ヒメコバチ科)はデイゴやなど、デイゴ属の枝や葉柄、葉にゴールを形成し、時には、木を枯らしてしまうことが知られている。近年、本種が香港、中国、アメリ力合衆国ハワイ州、インド、タイ、フィリピン、サモア、グアム、シンガポール、モーリシャス、レユニオン、台湾、ベトナムで発見されている。本稿では、奄美群島における加害調査結果を報告するとともに、侵入の時期やその後の移動・分散、今後の追跡調査の必要性などについて言及した。