著者
金子 玲大 山中 英生 真田 純子
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F5(土木技術者実践) (ISSN:21856613)
巻号頁・発行日
vol.78, no.1, pp.94-102, 2022 (Released:2022-09-20)
参考文献数
18

本研究では,空石積みの修復活動のオーガナイザーに半構造化インタビューを行い,参加者がいかにしてオーガナイザーになるのかを把握し,さらに継続的に活動を続ける可能性が高まる場のマネジメントの在り方について考察した.その結果,オーガナイザーに共通する前提として類似する石積みに対する思いと活動を取り巻く環境を有していることなどが分かった.また,活動を実践することによる変化の特徴として様々な役割を果たさざるを得ない実践を経験したこと,即興的なコーディネート,ルールの原則の理解,修復作業のアレンジという4つの特徴が見られた.これらより活動のマネジメントとして,役割分担を固定しない,ルールの優先順位の伝達,雑談を促すの3つを示した.