- 著者
-
相川 択弥
三村 未美
金山 美鈴
鈴木 理香
- 出版者
- 一般社団法人 日本農村医学会
- 雑誌
- 日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
- 巻号頁・発行日
- vol.63, no.4, pp.665-669, 2014 (Released:2015-03-10)
- 参考文献数
- 3
- 被引用文献数
-
2
A病院は地域での急性期中核病院の役割を担っている。それに加え, 平均在院日数の短縮化や看護師不足と, 看護師の業務は多忙を極めている。この環境下で働く看護師は, どのようなストレスを感じて業務を行なっているのか実態調査を行なった。
研究方法は, A病院看護師, 准看護師 (師長・副師長・主任を除く) に看護職場にみられるストレス要因についての質問用紙を作成し調査を行なった。業務量, 業務内容, 人間関係, プライベートの4つのカテゴリーに分類し, さらに年代別に比較した。
集計の結果, 全ての年代でストレスの1位は業務量, 2位は業務内容であった。患者の病状経過の把握, ケアや検査, 処置, 医師の診療の介助, 医療安全への配慮, 他部門との連携など業務が多岐にわたり, 常に時間に追われていることが要因であると考える。ストレス3位は人間関係であった。多忙な業務の中, 患者とゆっくりと向き合えないジレンマや, 医師とのコミュニケーションが出来ていないことへの不満, 上司や同僚との関係などが関与していると考えられる。ストレス4位はプライベートであった。30・40歳代は, 家庭を持つ看護師が多く, 希望の休日は家庭の用事などに当てなければならず, 自分の時間が確保できないこと, 夜勤や時間外勤務, 研修への参加等も, 影響していると考えられる。今後は, スタッフ同士が同じストレスを抱える仲間として助け合い, 働きやすい環境となるよう努めていく必要がある。