著者
金山 茂雄
出版者
拓殖大学
雑誌
拓殖大学経営経理研究 (ISSN:13490281)
巻号頁・発行日
vol.81, pp.65-94, 2007-12

インターネット,電子メール,携帯電話などの開発については日本企業のソフトウェア開発が旧態の開発手法で行われてきたため,現在その開発スピードについて行けないのが現状である。21世紀に入り大企業の経営者は皆「ITシフト」と言っていた。しかし,先進的技術がいつも社会に受け入れられてきたわけではない。企業グループ化の現れは企業を中心とした経済社会にとって重要であり,グループの本質や目的・方針など今日のような科学・技術革新のスピードが速い状況化でどのように変革を遂げていくのか興味深いものがある。すなわち,環境の変化による企業グループの戦略的対応の仕方が重要になり,さらに製造企業にとって生産を行うための技術展開が戦略上重要になるからである。つまり,経営者の理念精神は企業の事業活動に強いインパクトを与え,経営者の固有の価値観とそれに基づいた企業風土が企業の戦略の創出などに大きく貢献している。企業の新しい事業展開が第三者から観て,新しいビジネスになりそうな場合,仮にならなくても新ビジネスに繋がるものであれば,投資家はその企業に投資しはじめ株式時価総額が増え,企業価値が増し,その評価も上がる。「インターネットの勝ち組」だけではなく,「企業全体の勝ち組」へと好転するのである。共通する点は,関連の企業経営においてスピード経営が「時代の変化を読み取る」「素早い対応」を行うことであり,企業の価値評価を上げていることである。したがって,時代の変化に適応した企業経営は時価総額を上げた企業が「経営やビジネスモデル」として評価でき,企業価値を高め,成功した企業(勝ち組み)への一事例として参考にすべきであり,低迷している企業が一気に飛躍するチャンスも秘あていると考える。そのためには,企業の成長戦略モデルとしてなにが重要で大切かを知ることが必要であり,情報化社会や情報社会ではコンピュータなどITと企業にとって重要かつ大切な経営資源,競争力向上のための企業体質等の強化が必要である。つまり,一つの事業から他事業への相乗効果も考えることでもある。新しい技術を活用した製品,サービスを生み出すためには新技術創出とそれを活用した製品とサービス,製造,販売について研究開発もまた必要である。経営資源を最大限活用することで新技術の創出を生み出し,IT活用型社会からIT社会,つまり「情報社会」の形成に至ったとき,企業の成長が社会にとって大切な組織・集団であると再認識し,その評価と価値が高まるのである。