著者
金森 逸作
出版者
素粒子論グループ 素粒子論研究 編集部
雑誌
素粒子論研究 (ISSN:03711838)
巻号頁・発行日
vol.109, no.3, pp.C38-C40, 2004-06-20 (Released:2017-10-02)

非可換性を導入することで、格子上でもLeibnitz則とnilpotencyを持った微分形式を定義できる。我々はClifford積と呼ばれる微分形式同士の演算を格子上で定義し、それを用いてDirac-Kahlerフェルミオンを記述した。得られた格子フェルミオンはstaggeredフェルミオンであり、結合則を持つClifford積で記述したため、容易にゲージ不変な作用を書き下すことができる。この報告は河本昇氏(北大理)との共同研究[1]に基づく。
著者
金森 逸作 中村 宜文 似鳥 啓吾 辻 美和子 向井 優太 三吉 郁夫 松古 栄夫 石川 健一
雑誌
研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC) (ISSN:21888841)
巻号頁・発行日
vol.2020-HPC-177, no.22, pp.1-8, 2020-12-14

格子 QCD は,隣接通信を多用する典型的な HPC 計算であり,線形ソルバー内での縮約計算の頻度も高い.そのため,スーパーコンピュータ「富岳」開発において,ハードウェア・システムソフトウェア・アプリケーションソフトウェアが共同して開発にあたるコデザインの対象の一つになっている.本講演では,コデザインの成果を踏まえて実現した,富岳向けの格子 QCD 用疎行列線形ソルバーにおける通信の高速化について報告する.隣接通信には低レイテンシの uTofu インターフェースを用いており,MPI 持続通信を用いるよりも小さな通信オーバーヘッド,きめ細かな通信リソースの割り付けを実現している.また内積計算に必要な少数要素の縮約についても,Tofu バリアと呼ばる機能で高速化を実現している.