著者
金澤 宏介 奥村 万規子
雑誌
研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:21888744)
巻号頁・発行日
vol.2017-GN-100, no.27, pp.1-7, 2017-01-13

本研究では点滅している LED 光点列をサッカードと呼ばれる高速な眼球運動により残像を知覚させ,情報の提示を行う.光点列は表示情報を縦に分割して順次点滅させているため,表示情報を知覚するためには眼球運動と点滅周期の関係が重要である.本論文では,光点列を二つ用意し,それらを横に設置し観測者に光点列を交互に見させることによりサッカードを無意識的に誘発させる.実験は,光点列の数と知覚の関係性,観測者と光点列の距離と知覚の関係性,光点列と被験者の位置関係による知覚の関係性,点滅周期と知覚の関係性の評価を行う.これらの実験より,光点列を二つにするとサッカードが誘発されやすく,光点列二つと観測者の位置関係では,眼球の 「移動角度」 を決める三点の位置関係が情報知覚に最も影響がある.また,点滅周期がサッカードの持続時間より長いと表示文字は横に伸びて知覚されることがわかった.