著者
粂 美海 神野 賢治 金田 華実 沖田 諒 佐々木 達也
出版者
富山大学人間発達科学部
雑誌
富山大学人間発達科学部紀要 = Memoirs of the Faculty of Human Development University of Toyama (ISSN:1881316X)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.43-54, 2021-10-22

本研究は, Bリーグクラブの観戦者数の増加に視座を置き,富山グラウジーズを事例にBリーグクラブにおけるサービスプロダクトが勧誘行動に与える影響を明らかにすることを目的とした。ホームゲームの観戦者を対象とした集合調査を実施し,二つの仮説モデルを設定・解析した。結果,1)富山グラウジーズ(Bリーグクラブ)のサービスプロダクトは,観戦者の勧誘行動を誘発していること,特に『ゲームの魅力』因子が強い規定力を有していることが明らかとなった。 また,2)勧誘行動によって,富山グラウジーズに対するチーム・ロイヤルティが高まり,さらに勧誘者自身の観戦回数も増加することが示唆された。 先行研究において,サービスプロダクトが勧誘行動に正の影響を与えること,勧誘行動によって勧誘者自身の観戦回数が増加するという知見は確認されておらず,総合満足や観戦継続意図を媒介変数とする勧誘行動モデルは支持されなかったが,チーム・ロイヤルティを媒介変数とする勧誘行動モデルは支持された。