著者
金田一 秀穂
出版者
独立行政法人国際交流基金
雑誌
日本語国際センター紀要 (ISSN:09172939)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.181-193, 1991-03-30

現在の日本語教育界で行なわれている授業を検討し、一般 的な日本事情についての基本的な考え方をしめす。そのうえで、長期研修会で行なってきた日本事情の授業の位 置づけを行ない、その基本的な考え方と内容を紹介する。 日本事情は日本文化を教授する授業であり、その目的は日本についての理解を深めることにあるが、そのための手段を提供することが重要なのであって、単なる知識を与えることであってはならない。エスノセントリズム(自文化中心主義)からの脱却と相対的価値観の獲得がその際に求められる。究極的な目的は、学習者が自身の文化について知ることである。