著者
金関 猛
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

フロイトが「精神分析」という術語をはじめて用いたのは40歳のときである。それまでフロイトは医学者としておもに神経学の研究に携わっていた。フロイトがウィーン大学生であったときに専攻したのも医学である。それまでの専門と精神分析とは隔たりがあるように見える。しかし、本研究においては、精神分析の基盤がすでにフロイトの学生時代に形成されていたことを明らかにした。ウィーン大学医学部における、徹底した実証主義研究が精神分析の根幹をなすのである。