著者
釘本 健司 村上 健一郎 天海 良治 岡 敦子
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.50, pp.171-172, 1995-03-15

我々は、東京大学医科学研究所と京都大学化学研究所の間を結ぶ、ヒトゲノム解析計画のためのインターネットであるGenomeNetのバックボーンを、両大学の協力を得て高速化した。このバックボーンでは、155Mbit/secのSTM(Synchronous Transfer Mode)-1による総延長880kmのSDII(Synchronous Digital Hierarchy)長距離専用線を用いている。現在、このバックボーン上でコンピュータ間の通信の様々な特性の計測を行ない、理論値との比較を行なっている。TCP/IPを用いた長距離高速ネットワーク(LFP,Long Fat Pipe)での通信では、高速な計算機を用いただけでは高いパフォーマンスの通信を実現できない。既存のTCPで用いられるアルゴリズムやパラメータが、伝送路が長距離になることによって起こる大きな伝送遅延を考慮したものとなっていないためである。本論文では、LFPにおけるボトルネックついてに説明した後、応答時間およびスループットの理論値を示す。