著者
佐藤 進也 風間 一洋 福田 健介 村上 健一郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌. データベース (ISSN:03875806)
巻号頁・発行日
vol.46, no.8, pp.26-36, 2005-06-15
参考文献数
13
被引用文献数
4

巨大なデータベースであるWebから知識を抽出する一手法として実世界指向Webマイニングを提案する.従来のマイニングでは主に統計的な処理によりデータの特徴が抽出されていた.これに対し, 実世界指向マイニングでは, 実世界を意識したデータの解釈, 具体的には, 実世界のエンティティがデータの中にどのように現れ, 相互にどういう関係を形成しているかを調べる.この考え方をWebにおける人物の識別に適用し, 同姓同名人物の分離を行った.これは, 与えられた人名が出現するWebページを同一人物ごとにグループ分けするタスクで, 本手法を用いた場合, 平均9割以上の高い率で正しく処理できることを確認した.
著者
村上 健一郎 菅原 俊治 明石 修 福田 健介 廣津 登志夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.10, pp.81-88, 2007-01-31

本論文では、ネットワークを再帰的に拡張できるフリースケールネットワークFSN(Free Scale Network)方式を提案する。FSNではネットワークの構成単位をレルムと呼ぶ。例えばインターネットは一つのレルムである。FSNのレルムには固有のアドレスがあり、ネットワークアドレスの拡張部として使用する。しかし、従来のホストやルータなどの装置を変更することなく、アドレス空間を越えて透過的にネットワークを拡張できる。これは、FSNの多重仮想空間方式によるものである。この利点に加え、プロトコルを変更する必要がないためにネットワークの運用も互換性である。従って、これまでの拡張方式で必要であった膨大な設備投資や運用コストを回避しながら、ネットワークをオンデマンドに拡張することが可能となる。The Free Scale Network (FSN) architecture provides conventional networks with an unlimited extension capability. FSN consists of hierarchical or meshed realms. Each realm has its unique realm address. The address works as a prefix of the conventional addresses in the realm. FSN gateway interconnects them transparently by a multiple virtual space (MVS) mechanism. In MVS, a local address space is reserved for virtual addresses and an address in the space is allocated dynamically every time a host requests the gateway to resolve address of an FQDN. Thus, it enables the conventional hosts and routers to access whole the address space with no modification.
著者
村上 健一郎 菅原 俊治
出版者
法政大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

平成18年度は、主にIPv4++方式を実現するための多方面からの機能検証を行い、平成19年度は、実装上の問題点の明確化と設計へのフィードバック、そして実装を進めた。(1)レルムという概念を導入し、これで再帰的にネットワークが構成されるというパラダイムでIPv4++ネットワークが明確に説明できることを明らかにした。これを情報処理学会OS研究会にて発表した。(2)ミッションクリティカルな利用に対応するため、バックアップ機能の追加を行った。この切り替え時間を二桁程度向上させるための経路制御アルゴリズムTPV(Temporal Path Vector)について論文をソフトウェア科学会第8回インターネットテクノロジー研究会にて発表した。また、経路制御管理を容易にするための方式について、研究分担者が論文を発表した。(3)英文論文ドラフトを執筆し、研究協力者であるコーネル大学のポール・フランシス教授と議論を行った。論文が複雑になりすぎた事を指摘され、装置中心に書き直すとともに、実験結果を入れることとした。また、米国BBN研究所のクレイグ・パートリッジ博士と議論を行い、標準化トラックに載せるよりも、事実上の標準にすることを急ぐようアドバイスを受け、設計と実装を加速することとした。(4)機能設計および詳細設計の検討中に、VPN(Virtual Private Network)のパスを通すことができないことがわかり、VPNでは固定的に割り当てることで、本問題を回避することとした。(5)Linux上で本方式の実装を進めたが、進捗率は全体の70%程度となった。現在、実装を加速させている。
著者
吉田 雅治 天海良治 山崎 憲一 中村 昌志 竹内 郁雄 村上 健一郎
雑誌
情報処理学会研究報告計算機アーキテクチャ(ARC)
巻号頁・発行日
vol.1995, no.98(1995-ARC-114), pp.17-24, 1995-10-19

記号処理システムの核となるプロセッサSILENTのアーキテクチャ,実験機構成,及び簡単な性能評価について述べる.SILENTは記号処理のみならず,知能ロボットやコンピュータグラフィックス等の分野への適応も考慮し,画像生成計算機SIGHT?2で提案したTARAI演算器と密結合マルチプロセッサを構成することを前提としている.SILENT?CPUは0.7μCMOSゲートアレーで作成した.LSIの回路規模は97kgates,33MHzで動作している.SILENTアーキテクチャの性能評価のために実験機を作成し,マイクロプログラムでLispの処理系を実装した.関数呼び出しのオーバーヘッドを計測するtarai関数の実行時間を比較したところ,SILENTはELISの10倍以上の性能を得た.
著者
佐藤進也 風間 一洋 福田 健介 村上 健一郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.46, no.8, pp.26-36, 2005-06-15
被引用文献数
4

巨大なデータベースであるWeb から知識を抽出する一手法として実世界指向Web マイニングを提案する.従来のマイニングでは主に統計的な処理によりデータの特徴が抽出されていた.これに対し,実世界指向マイニングでは,実世界を意識したデータの解釈,具体的には,実世界のエンティティがデータの中にどのように現れ,相互にどういう関係を形成しているかを調べる.この考え方をWeb における人物の識別に適用し,同姓同名人物の分離を行った.これは,与えられた人名が出現するWeb ページを同一人物ごとにグループ分けするタスクで,本手法を用いた場合,平均9 割以上の高い率で正しく処理できることを確認した.This paper proposes a technique called "real-world oriented Web mining" for extracting knowledge from the Web regarded as a huge database. While conventional mining techniques search for characteristics of data mostly by statistical analysis, the proposed technique interprets data from real-world oriented point of view. In more concrete terms, it locates real-world entities in the data and analyzes relationships among them. This idea has been applied for performing a task to distinguish between people on the Web with the same first and last name. The task is to classify Web pages with a given person's name into groups each of which corresponds to a person in the real world. With the proposed technique, people have been identified with accuracy more than 90% on average.
著者
釘本 健司 村上 健一郎 天海 良治 岡 敦子
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.50, pp.171-172, 1995-03-15

我々は、東京大学医科学研究所と京都大学化学研究所の間を結ぶ、ヒトゲノム解析計画のためのインターネットであるGenomeNetのバックボーンを、両大学の協力を得て高速化した。このバックボーンでは、155Mbit/secのSTM(Synchronous Transfer Mode)-1による総延長880kmのSDII(Synchronous Digital Hierarchy)長距離専用線を用いている。現在、このバックボーン上でコンピュータ間の通信の様々な特性の計測を行ない、理論値との比較を行なっている。TCP/IPを用いた長距離高速ネットワーク(LFP,Long Fat Pipe)での通信では、高速な計算機を用いただけでは高いパフォーマンスの通信を実現できない。既存のTCPで用いられるアルゴリズムやパラメータが、伝送路が長距離になることによって起こる大きな伝送遅延を考慮したものとなっていないためである。本論文では、LFPにおけるボトルネックついてに説明した後、応答時間およびスループットの理論値を示す。