著者
鈴木 三也 細谷 久信
出版者
新潟県内水面水産試験場
雑誌
新潟県内水面水産試験場調査研究報告 (ISSN:03861643)
巻号頁・発行日
no.5, pp.101-102, 1977

ニシキゴイの肝臓,腎臓及び脾臓の組織標本においてヘマトキシリン-エオジン染色で黄褐色に見える粗大顆粒は消耗性色素の名で総称され,ニシキゴイにおいても消耗性色素の沈着が認められる場合,病理学的にはその沈着部位を中心に臓器の機能障害が起っていることは明らかである。筆者らはニシキゴイにおける消耗性色素が臓器を押しつぶしただけの無固定無染色の標本で確認されることに着目し,麻酔後のニシキゴイの右側胸鰭後方にシルバーマン針を挿入して約1mm3の肝膵臓組織を取り出し,スライドグラス上で押しつぶして検鏡し肝膵臓における消耗性色素沈着の有無及びその程度から魚の健康状態について考察し,内臓病変診断の一助とした。