著者
鈴木 光喜
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.34-39, 1994-05-13
被引用文献数
6

25年間地中30 cmに埋土した7科12種の畑雑草種子の発芽力について検討し、次の結果を得た。1)供試雑草種子は埋土翌年の4月から11月における最大出芽率はヒメイヌビエ、アキメヒシバ、スズメノカタビラ、イヌタデ、エゾノギシギシ、シロザ、ハコベは81〜96%、エノコログサは78%、メヒシバ、ツユクサは52〜58%、スベリヒユは30%であった。2)埋土25年目の4月28日と6月30日にはヒメイヌビエ、エノコログサ、メヒシバ、アキメヒシバ、スズメノカタビラ、イヌタデおよびハコベの種子はほとんど腐敗し、健全種子はなかった。健全種子の認められた5種の埋土種子数に対する発芽率はシロザ2〜3%、スベリヒユ2%、エゾノギシギシ1〜2%、エノキグサ0〜1%、ツユクサはで12〜14.5%であった。. 3)発芽したツユクサとシロザの芽生えは移植後開花・結実に至った。4)埋土25年目の9月6日に掘り上げたツユクサ種子はほととんど発芽しなかったが、3ヵ月間4〜6℃の低温処理をした後では22%発芽し、25年経過後も休眠の季節的周期性が認められた。
著者
鈴木 光喜 須藤 孝久
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.105-109, 1975-11-25
被引用文献数
6

発生予測の基礎資料を得るため,代かき時期を想定して4月20日から8月2日まで8回にわたって12科19種の雑草種子を播種し,温度と発生との関係を検討した。(1)各播種期を通して,出葉始めまでの日数は,畑地埋蔵種子および畑地埋蔵後湛水地中埋蔵種子が最も短く,戸外風乾貯蔵種子が最も長かった。したがって,温度と発生との関係の検討は,畑地埋蔵種子を対象にして行なった。(2).出芽始期はミズハコベなどの3草種が最も早く,平均気温で8℃,平均水温で13℃であった。一方,コナギ,アセトウガラシは最も遅く,同じく,それぞれ15〜16℃,19℃であり,他の草種は両者の中間に位した。(3)播種から出葉始めまでの積算気温,積算水温は,低温期の播種では高い値を示したが,ある時期以後では各雑草ともほぼ一定の値に達した。各草種の積算温度値の高低は出葉始期の早晩と逆の比例関係を示した。(4)播種から出葉始めまでの日数(y)と,その間の平均気温(x_1)および平均水温(x_2)との間に,y=ax^bの曲線回帰式が,各草種で得られた。(5)単子葉類7草種の生育初期における出葉速度は規則性をもち,草種ごとにほぼ一定の出葉間隔のあることが分かった。
著者
鈴木 光喜 須藤 孝久
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.109-113, 1975-11-25
被引用文献数
5

発生予測の基礎資料を得るため,代かき時期を想定して4月20日から8月2日まで8回にわたって12科19種の雑草種子を播種し,出芽期間と出芽率について検討した。(1)播種から出芽終までの日数は,戸外風乾貯蔵種子が最も長く,草種,播種期によっても異なったが,供試条件を通して,45〜50日以内であった。(2)出芽率は種子貯蔵条件,播種期により異なったが,その反応は草種によって特異であり,その推移から,供試雑草を7つの群に類別できた。(3)各播種期を通して出芽率の高い草種はヘラオモダカ,オモダカで,次いでタイヌビエであった。また,湛水地中に埋蔵したヘラオモダカ,タイヌビエ,コナギ,キガシグサ,アゼナの種子は,8月上旬の播種においても,かなり高い出芽率を示した。