- 著者
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鈴木 光洋
横田 泰佑
五明 佐也香
佐伯 辰彦
上笹貫 俊郎
速水 宏樹
杉木 大輔
池上 敬一
- 出版者
- 一般社団法人 日本集中治療医学会
- 雑誌
- 日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
- 巻号頁・発行日
- vol.23, no.3, pp.324-327, 2016-05-01 (Released:2016-05-02)
- 参考文献数
- 8
64歳,女性。既往歴:気管支拡張症。突然大量に喀血し,当センターへ搬送された。気管挿管を施行し,気管支鏡を施行,来院時喀血は止まっており経過観察とした。第3病日大量に喀血し酸素化不良となり,veno venous extracorporeal membrane oxygenation(VV-ECMO)を開始した。血管造影検査にて右気管支動脈より出血を認め,中心循環系血管内塞栓促進用補綴材(セレスキュー®,アステラス製薬)による血管塞栓術にて止血を行った。酸素化は改善せず,気道内よりoozingを認めた。このためECMO施行中の抗凝固療法には強い制限があった。気道内には血餅が充満しており,気管支鏡にて慎重に血餅除去を行いながら人工呼吸管理を行った。徐々に肺の含気が得られ第15病日よりhigh frequency oscillatory ventilation(HFOV)を開始した。第32病日にECMOから離脱した。第95病日にリハビリテーション目的に転院となった。本症例では出血のリスクが高く,ECMO施行中の抗凝固薬使用には強い制限があった。しかし,血栓性の合併症は回路の交換1回のみであり,安全にECMOから離脱することができた。