- 著者
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村川 力彦
梅本 一史
鈴木 友啓
加藤 航平
山村 喜之
大野 耕一
- 出版者
- 日本臨床外科学会
- 雑誌
- 日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
- 巻号頁・発行日
- vol.76, no.9, pp.2289-2292, 2015 (Released:2016-03-31)
- 参考文献数
- 14
症例は61歳,男性.腹痛にて近医を受診,胆石症と診断された.術前精査で,横行結腸肝弯曲部に早期大腸癌を認めたが,内視鏡的切除が困難なため,手術目的で紹介となった.手術は腹腔鏡下結腸右半切除術および胆嚢摘出術を施行した.術中,胆嚢管内に腫瘤を認めたため,腫瘍を含め切除した.切除標本では胆嚢管に14×10mmの黄色調の亜有茎性腫瘍を認めた.病理組織学的検査で腫瘍細胞は核が円形から卵円形を呈し,好酸性顆粒状胞体を有し,胞巣状・索状・リボン状に増殖していた.免疫染色ではsynaptophysin陽性,chromogranin A陽性,CD56陰性,Ki-67指数は3-4%であった.以上より胆嚢管カルチノイドと診断した.腫瘍は核分裂像・脈管侵襲・神経周囲浸潤を認めなかったが,線維筋層への浸潤を認めた.術後4年6カ月再発なく経過している.