著者
鈴木 大助
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会研究会資料 先進的学習科学と工学研究会 99回(2023/11) (ISSN:13494104)
巻号頁・発行日
pp.07-11, 2023-11-15 (Released:2023-11-15)

教務事項に関する学生からの問い合わせに回答するため、教務に関係する教職員は多くの時間と労力を費やしている。本研究では、この質問対応に要する時間と労力の軽減のため、ChatGPTを活用できるかどうか検討を行う。筆者の所属学部における教務文書を回答の根拠文書として与え、教務事項に関するいくつかの質問を提示して、得られた回答が実際の回答として使用できるかどうか、教務の観点から評価を行う。
著者
鈴木 大助
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会研究会資料 先進的学習科学と工学研究会 (ISSN:13494104)
巻号頁・発行日
pp.05, 2022-11-10 (Released:2022-11-10)

本研究は,本学経済経営学部2019年度入学生3年終了時の専門分野・応用分野の修得科目に基づいてクラスタリングと可視化を行い,もって専門分野選択の傾向を把握することを目的とする.主成分分析およびt-SNEで次元削減・可視化し,k-平均法でクラスタリングを行った結果,経済・経営科目重点修得群,情報・経済科目重点修得群,スポーツ・経済科目重点修得群,法学科目重点修得群を含む8群の存在が示唆された.
著者
鈴木 大助
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:21888930)
巻号頁・発行日
vol.2022-CE-164, no.12, pp.1-4, 2022-03-05

コロナ禍下での対応のため,大学では妥当な評価が可能なオンライン試験の実現に向けて,様々な試みが行われている.筆者は,授業内小テストとして減点方式の正誤判定問題を利用したオンライン CBT 試験を行った.受講生数が多くても採点が容易であること,どのような科目にも応用可能であること,受講生個々人の理解度を測定できる試験であることを目指した.本試験は,制限時間 60 分,満点 40 点で,学習管理システムの小テスト機能を利用して実施した.問題は,減点方式の正誤判定問題 40 問からなり,全問解答必須である.受講生は,各設問の文章を読み,その文章が正しい場合は「正しい」,誤っている場合は「誤り」,自信が無いので解答したくない場合は「解答しない」をそれぞれ選択する.また,「誤り」を選択した場合は,対応する解答欄に正しくなるように修正した文章を記述する.修正した文章の記述が無い場合または修正した文章が誤っている場合は,誤答となる.採点は,正答数から誤答数を引いた数を得点とし,得点がマイナスとなる場合は 0 点とする.「解答しない」を選択した設問は正答数にも誤答数にも数えない.30 人が本試験を受験した結果,得点は 10~15 点の得点区間をピークとし,0 点から 33 点の範囲に広く分布する結果となった.また,「解答しない」選択数の分布からは,受講生が確実に得点するために「解答しない」という選択肢を戦略的に利用している様子がうかがえた.以上のことから,本試験は受講生の達成度を識別する能力を有しており,受講生個々人の理解度を測定できていると期待される.また,工夫は加えているものの基本的には正誤判定問題かつ CBT であるため,採点も比較的容易である.減点方式の正誤判定問題を利用したオンライン CBT 試験は,妥当な評価が可能かつ実践が容易な試験になりえると言える.
著者
鈴木 大助
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2022-IOT-58, no.13, pp.1-5, 2022-07-05

大学の一般情報教育における情報通信ネットワークの教育を考えた場合,その技術や仕組みに興味がある受講生ばかりではないことをふまえると,技術的な側面に偏らない親しみやすい演習が必要である.本研究では,一般情報教育での実践に向けた予備的研究として,3 年生対象の選択科目において,ネットワークコマンドを用いた経路調査実験とネットワークに関する社会的な事例学習の両方を実践し,理解や興味を促進する効果に関して比較検討を行った.経路調査実験では tracert と whois を利用して,任意のサーバに至るまでの経路を受講生各自で調査する.事例学習では,受講生は提示された 3 つの事例の中から好きな事例を選び,それについて記事を読んで問題に解答する形でレポートを作成する.事後アンケートによると,経路調査実験では8割程度が理解と興味が促進されたと肯定的な回答であったが,事例学習ではそれを上回る9割前後が肯定的な回答であった.難易度に関しては,経路調査実験を難しいと感じた受講生の割合は事例学習を大幅に上回り,事例学習の取り組み易さが確認された.経路調査実験も十分な教育効果を見込めるが,必修や履修指定として実施する一般情報教育においては,事例学習の方がより一層効果的であると期待される.
著者
鈴木 大助
雑誌
インターネットと運用技術シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, pp.79-84, 2020-11-26

コロナ禍下での対応のため,大学では公正公平なオンライン試験を実現するための方法が模索されている.筆者はオンライン CBT 試験における不正行為防止策について検討し,担当科目「ネットワーク論Ⅰ」において実践した.資料参照・インターネット検索・他者との相談を防止することは困難であるため,許容することを前提とし,問題解決能力・実践力を測定する問題を出題する方針とした.一方で,替え玉受験と答案のすり替えについて重点的に防止するよう努めた.試験問題には,受講生個人のネットワーク設定情報とネットワーク経路情報の調査報告を含めた.また,受講生個人の情報に依存して正答が変わるネットワーク構築問題を出題した.Web カメラは本人確認の目的で利用した.受講生は中国からの留学生 18 人で,うち 6 人は未入国のため中国本土からインターネット経由で受験した.得点は 37.5 %~50 % の得点率にあたる区間をピークとした広い範囲に分布しており,本試験は受講生の達成度を識別する能力を有すると考える.また,受講生によるオンライン CBT 試験に対する評価は教室試験と同等以上であり,コンピュータを利用した実践的な問題であることが好意的に受け止められている.オンライン CBT 試験は,出題の工夫を含めた適切な不正行為防止策を実施することで,教室試験を代替する公正公平な試験となりえる.
著者
鈴木 大助
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2018-IOT-43, no.6, pp.1-6, 2018-09-20

本研究では,学習管理システムを利用したコンピュータベース試験 (CBT) における効果的な不正行為防止策を明らかにすることを目的として,筆者が担当する授業科目の到達度確認試験において,不正のトライアングルモデルに基づいて検討した不正行為防止策を実践した.認知されたプレッシャーを低減するため試験の配点をさげること,正当化を低減するため不正行為に関する規定を周知すること,認知された機会を低減するため,学生間で正答選択肢が異なるように選択肢の並びをランダムにする,ファイアウォールで不要な通信を遮断する,通信の監視を周知するとともに監督員の巡回を徹底する,個人所有スマートフォンの所在を常に明らかにする,等の策を実施した.これらの方策は不正行為の抑止力として機能し,公平公正な試験環境の実現に寄与したと考える.学生は厳戒な体制にやや緊張をしていた様子であったが,CBT ならではである,解答忘れを防げること,結果を即座に知ることができること,等の利点を享受し,好意的な反応であった.また,従来型のペーパーベース試験方式よりも本試験方式を支持する学生が多数を占める結果となった.